川井堰堤と知和堰堤 見学 その1

2021/12/21 更新


中国地方整備局の灰塚ダムです。
常用洪水吐から放流中です。


2021年7月に開催されたwith Dam★Night ダムオデッセイで
大正期までに竣工した他ダムの再開発事例を4例紹介しましたが
その前に機能面からのダム再開発、ダム再生の分類と
それぞれの事例をたーーっと紹介していました。

「機能の回復」の中の、「貯水池及びその周辺環境の回復」で
紹介したのが九州電力様の大瀬内ダムに設けられた
多自然型水路です。
見事な水景が生まれ希少植物の移植も行われています。

詳しくは小丸川揚水発電所の見学レポートをご覧ください。

もう一つは人気沸騰、東北地方整備局様の湯田貯砂ダムです。

錦秋湖大滝の名前の方が有名になってきたような気もします。
日本夜景遺産にも認定されている観光スポット。

洪水調節を仕事に持つダムでは洪水期と非洪水期で大きく水位が変わります。
そのため、水位が低く設定されている洪水期には貯水池の上流端などで
水から湖底が顔を出してそこに雑草が繁茂したり荒廃地になってしまう事があります。

貯砂ダムは貯水池への砂の流入を抑制するものですが
同時に上流端に貯水位が低い時でも裸地を発生させず、荒廃地を生み出さない
水位を維持することで良好な水辺環境を造り出すためにとても有効なのです。

詳しくは湯田ダムの見学レポートをご覧ください。

ダムオデッセイでは灰塚ダムを超過洪水対策として
“ゲートレスダムで常時満水位より低い位置に放流整備を備えている事”
を紹介しました。
これ最強。
ホントに素晴らしい。

でも、灰塚ダムは「貯水池及びその周辺環境の回復」の点でもすごいので
それを紹介しておきたいな…と、思っていた令和3年8月。
東京オリンピックが台風も何とかやり過ごして無事に終わった直後…。


凶悪極まりない前線性降雨が停滞したのです。
8月11日から20日ごろにかけて居座った秋雨(?)前線。


8月12日の川の防災情報で見た灰塚ダムです。


8月14日09:00の衛星画像です。
ずっとこんな感じで雨雲が居座っていました。

天気図で確認します。


令和3年8月11日15:00


令和3年8月12日15:00


令和3年8月13日15:00


令和3年8月14日15:00


令和3年8月15日15:00


令和3年8月16日15:00


令和3年8月17日15:00

ホントにしつこいにもほどがあるという停滞っぷりでした。


そんな凶悪な前線性降雨の中、灰塚ダムはゲートレスならではの
美しいハイドログラフを描いていました。


なんて滑らかに水位上昇。
これを人の手を介さずにダム本体に任せるだけで出来るってほんとに素晴らしい。
お見事です♪