犬島 晩秋の朝 その4

いくつかの崩れた遺構の残骸は東の海岸に
遺棄されています。その量は夏に訪れた時と変わっていません。
人を集める場所に必要なのは安全管理。
ただ建物が美しいから、雰囲気が素晴らしいからというだけで
崩壊する危険がある物を置いておく事は出来ません。
自治体に問い掛けると必ずこの事を口にされます。
「この姿のまま置いておくと言うのは事故が起きた場合の責任が取れません。」
「観光地とするにも必ず安全対策が必要です。」
遺構が中途半端に残る為にその遺構が持っていたオーラが
すっかり失せてしまった場所もあれば、遺構を見せる技術に長けていて
雰囲気が壊されていない場所もあります。
ここが観光地化に成功するかどうかは今の所わかりません。

そんな事をつらつら考えながら出来ればこのまま綺麗に残っていて
欲しいなぁと溜息をつきながら発電所に辿り着きました。

朝日がさして来て壁がオレンジに照らされていきます。

煉瓦の色が一層赤くなりました。
昇りたての朝日。長い波長の光。
薄闇が駆逐されていきます。

御気に入りの窓は変わっていませんでした。