旧脇ヶ畑村 杉 その3

倒壊した家屋をそっとのぞきこむと風呂桶がありました。

風呂桶の水は今は空から落ちてくるこの雨水だけです。

ガラス戸はまだ比較的綺麗なのですがその向こうには
落ちてきた屋根が座敷を埋めています。


縁側にはまだかろうじて屋根が残っていてその下に
練炭と豆炭が残っていました。
練炭バサミの使い方とか練炭に着火する時の穴明き鍋なんて
若い人でなくても都会暮らしの人は皆知らないでしょうね。
火をつけた後はひっくり返さないとダメなんです。

ここではその技を伝える人も伝える必要もなくなってしまいました。

落ちてしまった屋根を修復するわけでもなく、茂っているのは
ヨウシュヤマゴボウです。初夏には隆盛を誇っていた事でしょう。