旧・神崎ホフマン式輪窯 その4
夏草の気配が引いた時、支えを失ったように崩れて
いくのではないか、そんな気がしてなんだか落ち着きません。
主煙突には大きなクラックが入っています。
早く補修しないと絶対近々崩れると思います。
同じように煉瓦の煙突が幾つも立っているというのに
その大きさと安定した基部の力で危うさなど感じさせず、
堂々と存在を誇示している犬島の煙突とは全く異なる空気です。
全体が小さく弱弱しく、「もう疲れちゃったの..」と呟いているようです。
足元の自分より先に崩れていった小煙突達を見下ろす主煙突。
このホフマン式輪窯を敷地内に有していた企業が2000年の3月に
破産宣告をしました。登録有形文化財に指定されて半年後です。
誰もいないコンクリートブロック工場が横にあります。
ここは競売にかけられている土地なのです。