78years  3


回転木馬を後にして園内に進みます。
金梅花の向こうにこっそりキリンさんが隠れています。


トイレの表示がお子様向けですね。
GirlにBoyです。
万歳しているのか両親に手をとられてはしゃいでいるのか
楽しそうなマークです。


ペガサス広場を囲むように花壇と一体型のベンチ。
ここでお弁当を広げる家族。
子供と歩くのに疲れたお父さん。
孫にせがまれて汗をかきながら園内を回るおじいさん。

そんな風景がずっと繰り返されてきたであろう広場です。

どんどん人が増えてきました。
閉園前の賑わい。
宝塚ファミリーランドがそうでした。
玉手山遊園地がそうでした。
伏見桃山城キャッスルランドがそうでした。

懐かしむために
思い出を残すために人が集まります。

でも奈良で育ったわけではない自分には
あやめ池遊園地の子供の頃の思い出が無いのです。

子供の頃の思い出と大人になってからの思い出の色が違うのは
仕方の無いことです。
そして自分には大人になってからの記憶しかないあやめ池遊園地。

神妙な気持ちで歩き続けました。


ペガサス広場から奥には緩やかな上り坂です。
色々な遊具が一気に増え始めます。
幼稚園児が遠足できていました。
普段は耳にするのも嫌な幼児の嬌声が何故か気にならないというのも
遊園地独特のマジックなのでしょうか。

“せんせーい。楽しかったぁぁ”

安全第一でコースの上をくるくると巡るだけの
この子達が後10年もしたら見向きもしなくなるような地味な遊具。
それでも、今、とても楽しいのだと笑顔一杯で乗っている子供たち。

あと3日。
閉園までカウントダウンが始まってしまった遊園地。
この子達はこの遠足のことをずっと覚えてくれているでしょうか。
一番色鮮やかな子供時代の記憶のひとつとして残るでしょうか。
 


園内一周している南十時星号。
見て回るにはもってこいかとも思ったのですが乗らずに歩くことにしました。

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