湯田ダム 見学 その2


さあ♪
ダム仲間もみんな絶賛していた“後ろ見の滝”に向かいます。


広々しています。
右岸側に渡ってくればスロープばかりで階段がないので
車いすの人も入って来れるというバリアフリー堤体。
凄いなと思います。

管理している人に対しても厳しい
段の一つが30cmもある階段で監査廊をつなぐ古いダムもあるわけで
それから考えると天国のような整備です。


水音がすごいです。
この日の水位は湯田ダムでEL217.0mくらいでした。
貯水池が長いし大きいですからこの場所とは
かなり差はあると思いますがとりあえずこれだけの落差が生じていたという事で。


“後ろ見の滝”♪
水量がすごいから大迫力。


隙間から見るのも楽しーい♪

「ここを設計する前にちょうど、ナイアガラの滝を見に行っていたのです」
「ナイアガラの滝」
「それにヒントを得たのです」
「ナイアガラの滝って裏側に入れるんですか」
「はい。観光ルートが整備されています」
「ほぉぉぉ!!」

  →“JOURNEY BEHIND THE FALLS”で検索してみてください


天井に取り付けられているのはライトアップ時に使用するLEDライトです。
これが装備されるまではこの通路に発電機と照明を並べて
それはそれは大変なライトアップだったとか。

現地でそれを見ていたダム仲間いわく
発電機の排ガスで通路を通るのに気分悪くなるくらいだったと。

そんな声を聞いてしっかり改良されたんですね。
素晴らしいです♪


右岸まで渡ってきました。


右岸側でこの銘板が取り付けられているのに気付きました。

水没したときに水中を流れる細かい粒子で汚れていますが
これ、とても大事な改造工事の銘板です。


こちらが竣功翌年の平成15年に増設された
鋼製中空箱型構造スポイラになります。

湯田貯砂ダムは元々は堤体内の通路の屋根に当たる越流部を
通路内に建てた柱でしっかり支える設計だったのです。

しかし柱を取り除いた方が“後ろ見の滝”の美しい水流を見られるし
しっかり鉄筋を入れて造れば柱がなくても支えられるだろうという判断で
柱を取り除いた構造に設計変更されて竣工したのです。

結果
強度が問題になったのではなく
ゲート放流でもよく問題になる低周波の発生が確認されてしまいました。

低周波はダムのゲートなどでも発生することがあり
堤体の周辺だけではなく
尾根の向こうにも届くなど広範囲に影響が及びます。

これだけの越流幅で水流が流れ落ちるので強度はともかく
屋根にあたる部分が微振動して低周波を発生させていたのです。

だから…
最初の設計で柱入れていたのに
取っちゃうから…

ということで柱をもう一回つけるという発想ではなく
スポイラーで水流コントロールしたらいいじゃない
という事でずらりと並ぶ背びれのようなスポイラーが付けられ
水流もさらに美しくなったという
設計の勝利♪♪♪


最近はもう定番になってしまったダムカードフレーム記念写真スポット。
あちこちのダムでも工夫を凝らしています。


そしてここは貯砂ダムなので右肩の文字は
FNAWIPSRUに該当する物がないので
力強く漢字で“貯砂”となっています。
潔い。


スポイラーがつく前はこれ、ひと固まりの水流だったんですね。
今は16条の滝になっているわけで
どっちが綺麗かというと個人の好みによると思いますが
自分はこの細かく分かれている方が好きです。


駐車場からこの橋を渡って右岸側に移動してくると
車椅子でも今いるところまで来ることができます。

橋脚には貯砂ダムが水没するという常時満水位になれば
どこまで水位が上がるのかを教えてくれる
黒ずんだ帯状の汚れが付いています。

確かにあの高さまで水位が上がれば
今日、ここに来るまでに見ていた貯水池内の緑豊かな段丘も
貯砂ダムも全部水没です。

つまり、今日は水位が低いんですね。