with Dam Night 2021 その2
灌漑用、水道用の嵩上げに続いて、規模がとにかく大きいのが
発電用の嵩上げというか新設というべきかもしれませんが
ここ、兵庫県にある関西電力様の太田第1〜第5ダムです。
現地に行くと門扉の横で見えているロックフィルダムが第5ダム。
その向こうに第1ダム、第2ダムが続きます。
これは2016年に開催されたwDN-Kobeで展示されていた関西電力様のダムの紹介パネルです。
兵庫県のかっこいいダムパネルが何枚も並んでいました。
そこにちょうど分かりやすい太田ダムの全体写真があったので紹介。
この場所に日本初の発電専用ダムとして1911年(明治44年)に竣工した
峰山第二ダムがありました。
峰山第二ダムの堤体も貯水池もすっぽり全部現在の太田ダムの貯水池に沈んでいます。
太田第1ダム背面です。
ここまでは車で行くことができます。
第2ダムまではいけません。
この第1ダムのある谷筋に峰山第二ダムはありました。
貯水池をぐるっと回って見えるところがないかと探します。
ここに写っているのは第2ダムと管理所です。
管理所は第1ダムと第2ダムの間にあります。
第4ダムの方にも移動してきました。
第4ダムの方からみた第1ダムと第2ダム方向。
このように峰山第二ダムは完全に水没しているので
見ることはできません。
というか絶対的に貯水池の大きさが違うので
見えるはずがないくらい沈んでいるのです。
峰山第二ダムがあったのはこの位置です。
現地の説明板の貯水池図に書き足してみました。
峰山第二ダムの諸元ですが
堤高は19.90m(ダム台帳では19.40m)
堤頂長は101.3m
上流面勾配は1:3で下流面勾配が1:2
上流面は波浪による浸食を防ぐために練石張りで
堤体の中央に粘土質のコアを持っていて
天端幅は6.10mということでかなり幅広。
19世紀末の英国のアースダムの標準設計にほぼ合致しています。
和歌山県にある尾曾谷ダム(1918年)と同じです。
尾曾谷ダムはセンターコアのアースダムで
堤高は26.5m
堤頂長は85.5m
上流面勾配は1:2.5で下流面勾配が1:2
これはダム地点がかなり下流下がりなのでそれに対応するためと思われます。
上流面は波浪による浸食を防ぐ練石張り
天端幅は6.0mです。
今は道路になってしまった糸藤谷(いとこだに)ダムも同じ感じだったそうです。
写真がないのがとても寂しい…。
国土地理院の地図・空中写真閲覧サービスで古い写真を探すと
1976年撮影で、とてもはっきりと峰山第二ダムと貯水池が見られますので
興味のある方はご覧になってください。