with Dam★Night-Biwako その3


南郷洗堰と瀬田川洗堰見学の後、移動してきたのは
関西電力・宇治発電所の取水口です。

宇治発電所はこれまたすごい量を宇治川に届けてくれる施設です。


見学時の取水量は41m3/sでした。
これだけの大水量を電気に変えることができる宇治発電所ですが
歴史はとても古くて1913年(大正2年)運開です。


洗堰が放流していない時でも
発電所が運転しているときは確実に下流に補給を担ってくれています。


水力発電は水を消費しません。
水車回すだけ。
このすっごいお水は電気を生み出して宇治川に届くのです。


これだけのお水がごんごん取り込まれるのですから
水と一緒にやってくるゴミもそれなりです。
昔に比べればポイ捨てゴミは減っていると思いますが
葉っぱや植物系の流塵は昔も今も変わりません。

除塵機頑張る。


しかし除塵機、こぼすこともある。
その時はこれで手作業でとる!
これ使うねーん!
と、レーキを持ち上げたら笑われていっぱい写真撮られてしまった。
身体張って笑いとれたら本望だからいいもん。

◆ ◆


次に見学したのは琵琶湖からの水の出口ではなく
琵琶湖に入る水の流れをコントロールする防災施設
大津放水路を構成する施設の一つ、三田川分水口です。

国交省が造り、現在は滋賀県管理の施設ですので
現場の説明は滋賀県様から頂きます。

大津放水路建設事業のパンフレットで全体図が分かります。

パンフレットに載っているこの場所、三田川分水工のイラストです。
増水した河川水はプールを経由し竪坑でくるくるして地下のトンネルに届くのです。


でもイラストを見てからでないと突然ここにきて
パッと見てもどこがどうなっているのか、なかなか想像できないのです。
住宅街の中のフェンスで囲まれた広い敷地。


全体をイメージしてもらうためにまずは外周を回ります。
するとこんな石碑もあったりする。


施設の上流端。

奥から来ているのが三田川。
手前は分水工への越流部。

平時は←の通りに流れるのが三田川。
このくらいの流量ならこの細い川幅で充分はけています。


しかし大雨が降ってくると細い川では吐ききれない。
しかしそのまま琵琶湖に流しても琵琶湖水位が上がっていたら
細い小さい川の水なんて押しきれないから負ける。
そして合流点で発生するのが内水氾濫。

そうならないために川の中間で水を取ってしまって
地下水路で下流にパスさせて石山寺の近くに吐くというのが大津放水路。

この三田川分水工を含めて6本の河川に同じ仕組があります。


普段の三田川。
この水路が三田川。


敷地の外には『水辺の楽校』と名付けられた親水公園が設けられています。


地元の婦人会の方がお花を植えて綺麗にしてくださっていました。


現地の説明板。
うーん。
プリント劣化してもう読めませんね。

大津放水路についてはweb公開のパンフレットや資料のイラストが
とても分かりやすいので見ていただけたらと思います。


外周だけを見て見学は終わる予定だったのですが
ここまで来ていたらやっぱりくるくるしている竪坑を見たい。

するとその気持ちが、伝わって
急きょ、予定外でしたが竪坑に入れて頂けることになりました。
やったぁぁ♪


竪坑内部です。
排水したときの名残で足元にはうっすら泥も積もっています。


一番底までこんな風にスリット部分から見降ろせます。
街中で見ることのない不思議構造物なのでみんな大喜び。


次の見学場所に移動する途中にも別の分水工が見えました。
こんな感じで宅地にいくつも作られているわけで
それらが地下で繋がっているのです。