with Dam Night at Home+ その2

wDN中部近畿ブロックのイベントなので
中部地方のダムの素敵なお話もしていただかねばという事で
白羽の矢が立ったのは令和3年で50周年を迎える矢作ダムでした。


ということで矢作ダムに向かう途中、矢作第二ダムもちゃんと愛でる。


矢作ダムに到着しました。
いつもカッコいい矢作ダムです。


天端の親柱の位置にあるプレート。
「昭和四十六年三月しゅん功」
「建設省」
の文字があります。


矢作ダムの特徴は何と言ってもこのすっきり天端。
ゲートの巻揚機がスタイリッシュに収納されているために
天端にでっぱりがないのです。

悪さをする人除けに柵があるのも惜しいなと思ってしまうくらい
すっきり天端なのです。


天端の雨水孔から落ちる水が造った黒カビ模様まで
お洒落に見える矢作マジック発動中。


以前来た時にはなかったこんな看板がありました。
真正面に大雨の時だけ滝が出現するそうです。

大雨の時にダムに来るのは道路状況によってはとても危険。
周辺状況を確認して安全にお越しください。


前回の訪問時は大慌て見学だったこともあって見落としていましたが
副ダムの上に橋が架かっています。


そしてその橋は何と発電所の屋根に接続しています。

・・・。
た、たしかにその高さまで水が来ることはないから
安全と思いますが他では採用されていないデザインではないかと…。

たしかに川幅、それなりに在りますが
今だったら吊橋で可能な長さに見えます。

何か理由があってこのデザインになっているのは間違いないので
後で調べようと写真を撮りまくっていました。


左岸側に移動してきました。
この角度で見ると放物線アーチをしっかり確認できます。

中央附近では、ほぼ、垂直に堤体が立っている。
ドームアーチの様にがばっと下流側にオーバーハングしていない。

矢作ダムは国内初の放物線アーチダムですから。


と、うきうき堤体を見学してから管理所にお邪魔します。


玄関にあったのは矢作ダム50周年の紹介です。

年表を見ると渇水で何度も何度も苦労されているのが見て取れました。

そして絶対に忘れてはならないのが恵南豪雨。
2000年9月の豪雨災害です。
下流では名古屋の天白区などで広範囲に浸水被害が出ました。

詳しくは下記のリンクを参照してください。

矢作ダムの取り組み

矢作ダムの異常出水対応


管理所のカウンターに在ったのは矢作ダムの監査廊で熟成させた日本酒セット。
空瓶です。中身付きで置いてあったりしませんので。

昨年も今年も抽選であっという間にソールドアウト。
ダム熟成日本酒、ほんとにメジャーになりましたね。


wDNで矢作ダムのかっこいいお話を頂くべく
所長様、皆様にご挨拶をしている時にテーブルに出てきた
ダムカレーカード。

親鶏…。
これ、絶対美味しいだろうな。
食べたいなぁ。


そしていろいろお話を聞きながら、どうしてもさっき見た
副ダムが気になるので建設時の写真などが載っている
貴重な資料を見せて頂きました。

「これがダム建設前のダムサイトの写真です」
「なんか違うものが写ってますが」
「中部電力さんの発電用の堰堤ですね」
「元々、発電用取水堰堤があったんですか」


そして本体工事が始まり基礎掘削が終わった頃の写真です。

「違うものになってますけど」
「ホントですねww」
「なぜ…」

どうしてわざわざ造り直しているのだろうか
しかもゲート付きにして新造とは
疑問は残りましたが本日、管理所に伺ったのは
wDNの打ち合わせなので疑問はそのままに
退所いたしました。


数日後、家に届いた凄いブツ。

ダムマイスター仲間の佳様が貸してくださいました工事誌です。

これで調べたところ、分かりやすい図が載っていました。


図中にある旧取水堰堤(撤去)とあるのが魚道のあった発電用取水堰堤
中部電力・時瀬堰堤でした。

基礎掘削が終わった後に撮られた写真に写っていたのは
造り直された取水堰堤兼副ダムだったのでした。

もともと、時瀬堰堤をそのまま福ダムとして使えないかと計画していましたが
仮排水トンネルの吐口の位置や水量を考え
撤去して新しく造り直すということになったそうです。

で、その後、ゲート部分をコンクリートでふさいで現在の形に。
その時に対岸の発電所までを繋ぐ橋もできたようでした。
洪水吐ゲートのピアがあったから有効利用されたのだろうなという結論です。