ダム工学会中部近畿ブロック with Dam☆Night2022

高根第一ダム 公式見学 その2


高根第一ダムは下流からのビューがとても制限されていて
堤高が130m超の巨大アーチダムであるのに
ちらりとしか見られません。


というのはドームアーチに最高の立地で建設されているからです。
きゅっと狭まった深い深いV字谷。
左右からの尾根がグッと迫った好適地。
そこに鎮座しているので下流からは左右のアバットとの接続部が完全に尾根に隠れて
中央しか見えないのです。
この写真は2011年に会いに行った時に撮ったものです。


天端パラペットの端に力強く建設会社様のお名前入り♪
黒部川に続いて飛騨川でも巨大アーチダムを建設してくださったのは
間組様です。


これが中部電力様のフラッグシップ(萩原雅紀様命名)・高根第一ダム。

アーチダムは見慣れないと正気を失うので
アーチダムはあまりにもかっこよくてノックアウトされるので
アーチダムは人から語彙力を奪うので

このあたりで
ひゃぁぁぁ
うわぁぁぁ
とか口走っていたようです。

落ち着くまでとにかく写真を撮って
ズームで各部を細かく観察していて
気になったのがこの部分でした。


クレストゲートの越流部。
水流が谷の中央、川の上に奇麗に流れ落ちるよう
高さと角度が変えられていたのです。


天端から見下ろした直下はこんなに狭い谷なので。
ホントに左右からの尾根の迫り方がすごいです。


天端は広々としています。
でもやっぱり貯水池側がパラペットでないのが面白いです。
安全対策としては落っこちてもまだ救命できる可能性が高い
貯水池側が横桟の柵型というのは合理的ですが。


天端を少し進んだところから右岸側を振り返ったところです。
天端照明もパラペット内に収納されていて突出物のないデザインです。


天端から見たにゃんこ鉄塔(えぼし形鉄塔)

ここで中部電力パワーグリッド様の飛騨変換所(FC)と
東京電力パワーグリッド様の新信濃変換所(FC)を繋ぐ飛騨信濃直流幹線について
説明を受けたのですが頭が賢くないので
正しく情報整理して理解することができませんでした。

50Hzと60Hzの周波数変換所を見学させて頂いたのは
電源開発様の佐久間FCだけで、その建屋の中で
直流の区間というのは1mくらいの短い区間でした。
電気の流れに伴って瞬時に周波数が切り替わるというイメージがついていたので
佐久間FCしか知らない自分は直流が89kmもの長距離を送電されるという事に
イメージが全くついていかなかったのです。

電気、難しくてわからない…。


この背の低い鉄塔が飛騨信濃直流幹線専用の鉄塔らしいです。

一緒に見学した水力ドットコムのHisa様だけは説明内容について
何もかもを理解しておられたのでさすがだなと感心していましたが
かみ砕いて説明を受けてもまだ付いていけない自分の頭の悪さは何なんだ…。

2021年3月31日に運転開始した飛騨FC。
でんぱつ様の佐久間FC 30万kW
中部電力様の東清水FC 30万kW
東京電力様の新信濃FC 60万kW
周波数変換所は今までこの三カ所でしたが、ここに飛騨FCが90万kWで加わって
東西の電力融通力が物凄くパワーアップしたのです。

とりあえずその点だけは理解しました。


左岸側に見えているのが選択取水塔です。
左岸側に取水口が4つ並んでいて、そのうちの一基に選択取水塔が
増設されたという事で、竣工時の写真にはこの取水塔は写っていません。


左岸側で周囲に何もなく問答無用でシンプルに口をあけているトンネル。


以前来たときは、どこにつながっているのかイメージが湧かなくて
この先に道路があるんだろうなと勝手に対岸から眺めて思っていました。


トンネルは「J」の字型に曲がっています。
目的地は取水口のある貯水池側なので。