ダム工学会中部近畿ブロック with Dam☆Night2022

高根第一ダム 公式見学 その1

2022/12/1 更新

中部電力様管理ダムで最も堤高が高いダム。
中部電力様が始めて作ったアーチダム。
それが高根第一ダムです。

天端には入れませんが、横まではいける
見下ろしができる展望所もあると認識していましたが
最近、事情が変わっていました。


今まで通行が大変だったワインディング狭路の
高根第一ダム横を通っていた区間が
国道361号線高根トンネル開通に伴って
高山市の市道になりました。

この区間にあるのは高根第一ダムだけなので
中部電力様が通行できれば問題ありません。

道路の維持管理と整備は大変ですし、もともと、狭い国道として有名な区間で
落石などのあることから“関係車両以外”通行止めになっていました。

徒歩ならいいのかという屁理屈は、もし落石や獣によって遭難したときに
自力でなんとかできるかという点から考えなおしてほしいです。


なので今まではこのトンネルを抜けたら
高根第一ダムに到達できていたのが
通行止めですので一般の方はたどり着けなくなったのです。


展望台になっている尾根の下の短いトンネル。
高根トンネルを過ぎて貯水池横から旧道へのルートも
崩落個所があって通行止めですのでたどり着けません。


高根第一ダムといえばトンネルをぬけてすぐ、目の前に現れるこの
“中部電力 高根横山アーチダム”の看板です。

高根第一ダム建設時の中部電力会長の横山氏の名前がダムに入っています。
井川ダム建設時の井上五郎社長が井川ホローダムにかけて井川五郎ダムと
名づけたのと同じで、とても素敵。


こちらがダム湖名である高根乗鞍湖の碑なんですが
・・・。
落雷でもあったのか綺麗に紅葉したナナカマドがぱったり倒れていました。
枯れていないので大丈夫でしょうけど碑は見づらい。


石碑の横にもそもそ進んでナナカマドの紅葉と美しいダム湖を見たところ。


お天気よくて最高です。
貯水池の水もそんなに極端に低くなっていませんでした。
しかし、堤体に入っている水位の痕跡の線を見る限り
常時満水位からはそれなりに低くなっています。

アーチダムの幸せ水位が見たいです。
最高にお水がたまっている幸せ水位♪


短いトンネルのある尾根の側面に設けられた展望台への階段。
中々草の浸食が激しくなっています。
登ることは可能なようですが毒虫や害獣からは自力で回避
していただく必要があります。


元気に流れ込んでいるのは支川の黍生川から取水された水です。
以前来た時もここから勢いよく水が入ってきていました。


尾根の上に堤体の変位観測のための小屋が見えていました。
たどり着くのはとても大変っぽいです。


管理所と天端へのゲートが開きました。
わくわく中に入れていただきます。


ここから先はずっと行きたいと思っていたけれどいけなかった
未知の領域なのでわくわくが止まらない♪


天端に到着しました。

おおっ!
な、なんか不思議な感じ!
あ、理由わかった
天端高欄が貯水池側が横桟の柵型、下流側がパラペット型なんだ。
珍しいなー
逆のパターンが多い気がするー

ちなみに文献によると、この右岸のアーチ部に入るまさにこの写真に写っている場所が
高根第一ダム、高根第二ダム、高根第一発電所、高根第二発電所の
完工式が盛大に行われたとあります。

ダムの竣工式は再開発工事完成式典をのぞくと
一度しか現場で取材したことはないのですが
あの空気はホントに素晴らしいのでそれを思い出して
この場所でたくさんの人がダムと発電所の完成をお祝いされていたのだなと
胸にぐっと来るものがありました。


くるんと巻いたパラペットが親柱になるデザインで
そこに“中部電力 高根第一ダム 1969”と記されています。