菅沢ダム 見学 その8


そして気になったのがこのゲート改修の展示パネル。
老朽化したために最近、常用洪水吐きのラジアルゲートを改修したそうです。
その時の様子を紹介しているものだったのですが・・

あちこちのダムでゲート室にも入れてもらいラジアルゲートを見てきましたが
シリンダーがこういう角度で付いているゲートは見たことがありません。


で、改修された新型ゲートは最近よく見るこういうタイプ。
ゲートの扉についたシリンダーが一つ上のフロアに出ていて扉体を動かすタイプ。

うーむ

元もあったゲートは見たことのないタイプのラジアルだなぁ。
まだ同じ形で頑張っているのがあったら見てみたいなぁ。



そして建設中の堤体写真。
堤体についていた線はやっぱり柱状工法の痕跡でした。


「このダムを最初に写真で見た時に発電ダムのようなデザインだなと思ったんですよ。
ゲートが少ないでしょう。だからクレスト良く開けるのかなって。
でも管理が国土交通省で直轄堤体だったんですごく吃驚したんです
このゲート数で戦うのかと思って感動したんですよ」

と、アピールした所、そういうところを見るのかと面白がられました。

「治水の直轄堤体ですが今までにクレストゲートを開けたことはあるんですか?」
「いいえ、ありません」
「今までで一番頑張ったのはいつですか」
「去年の森湖の前ですよ」
「え!平成18年7月豪雨の時ですか!」
「そうです。あの時は本当にすごかったんですよ。このダムができてから最大の流入量でした」
「ど、どこまで貯めたんですか。サーチャージまで頑張ったんですか」
「上流側にダムの名前が書いてあったでしょう?」
「はい。天端のすぐ下にありました」
「あの文字が全部水で見えなくなったんですよ」

←イメージ図
つまりこの位、水を貯めたということです。
こんなのアリですか!?発電ダムですか?
という位の水位です。

「・・・それでもクレストは開けなかったんですね」
「そうです。今までで最大の200t/s位の放流はコンジットからしましたけどね」

非常用洪水吐きは開けない。

直轄ダムの神髄を見た気がしてちょっと涙腺がゆるゆる。



展示ホールを後にしてダム下流側行くことにします。
右岸にあるこの建物は職員の方の宿舎です。

今年は全然雪が無いのですが毎年50cmは余裕で積雪があるという菅沢ダムです。

国道180号を下って途中にあった分岐を川の方へ曲がります。
本来はダムの管理道路で一般通行は制限されているらしいのですが
道路工事の人の車両が駐車場代わりに使っていたために車で進むことができました。


堤体直下の橋に到着です。
ガードレールが無くなっています。
橋の上はもともと置きガードレールだったようで
橋の桁にはダメージがありませんでした。