相楽発電所取水堰堤 見学 その2


京都府立の歴彩館で資料を見つけた後
R163添いの有市地区の東の端に来ました。


眼下には木津川の潜水橋です。
左岸側は前年の出水で破損したという事で工事中でした。


ダムの放流サイレン吹鳴看板が立っています。
上流の高山ダムのものになります。

高山ダムがあるのは名張川。
ダム下流500m程で木津川に合流。

木津川になってからこの有市地点までの間には
大河原発電所取水堰堤とこの相楽発電所取水堰堤があることになります。


有市地区の端っこから見た相楽発電所取水堰堤です。
高さはそんなにありませんがいつもさらさら越流しているので
遠目にも分かりやすい。


ズームして見てみました。
左から閘門、次に魚道、その次に流筏路、そして越流堤です。

◆ ◆


見学のお願いをしてから数日。
無事に見学許可が出ました♪
よかったー。

という事で相楽発電所に向かう大変狭い
アップダウンの激しい町道を進んでおります。


発電所横に到着です。

「おはようございまーす」
「おはようございます」

お越しくださっていたのは
昨年の春、奈良電力部様の敷地内で
三徳稲荷のことを教えてくださった方で
面識があったのでホッとしました。

「見学よろしくお願いしまーす」
「こちらの施設についての新聞記事があったのでお持ちしましたよ」
「あ、凄い。ありがとうございます」
「遊覧船が行き来していたみたいですね」
「私も京都府立資料館で建設計画時の資料調べてきたんですが
関西本線が通ったことで舟運が陸送にシフトしていく時期だったんですね」

「今はこの通り、上流側のロックゲートだけしか残していません。
水位保持のために閉めた状態で管理しています」
「でもこんなすごい装備備えているローダム自体、すっごく珍しいですし
間近で見せていただけるのわくわくです♪」


と、柵のそばにいくとこのように全景を見下ろすことができるのです。
この場所は町道の横という扱いになりますので
関西電力様の敷地内に入らなくても誰でもここに来たら見ることができます。

写真手前から沈砂池横の余水を川に流す固定堰
次に閘門、その向こうに魚道
さらに奥にあるのが上流で伐採した木材を流して運ぶために用いられる流筏路。
そしてその向こうに取水堰の本体があります。
取水堰の上には大河原発電所と同じく決瀉板がずらりと並んでいます。


見学時の装備着用。
関西電力様のマーク入りヘルメット
ライフジャケット
安全帯
滑らない靴

ヘルメットは毎回、管理者様のロゴマークの入った物を
お借りして被りたい派なのでいいんですが
安全帯は自前を持っていけばよかったと現場ではたと気づきました。
同じ藤井電工社製の安全帯だったのですぐ装着できましたが。

そして私ひとりの見学に奈良電力部様から
お二人お越しいただいているのです。

見学中に私が水に落ちたりしたら
転んで骨折したり捻挫したりしたら
ひとりでは助けるのも大変だけどtwo man cell 最強だから。
ちなみにそんなご迷惑を掛けて助けて頂く場合、私はguestからpackageに降格されますよね♪。

他の電力会社様のとんでもない山奥のダムを見学させていただいた時も
やはり同じように私ひとりの見学のためにお二人が付き添ってくださいました。
熊対策というのもありましたけど。

なので見学・取材の許可が出たからといって現場で無理を言うのは厳禁。
すでに見学・取材をお願いしたことで管理者様に
人手も時間も手間も色々ご負担おかけしています。
現場ではとにかく絶対に迷惑をかけない負担を増やさないように気をつけるのが
こちらの守るべきマナーでしょう。

「一昨年の秋にダムを見に行って3mくらいの高さから転落して頭部打撲していましてー」
「ええっ!!大丈夫だったんですか!?」
「数分意識なかったけど一緒にいた美しいダムガールが目覚めさせてくれたので
頭から血をぼとぼと落としながら無事に病院行けました」

「なんで転落したんですか」
「柵のないコンクリートの真新しい護岸の擁壁の上を歩いていたんですが足滑ったみたいです」
「・・・気を付けてくださいね」
「はいー。この2月に新潟で雪道で滑って肋骨2本折りましたしー」
「・・・ほんとに、ほんとに、気を付けてくださいね…」

ネタで転倒・転落履歴を説明したけど笑えない。


でもそのくらい自分がおっちょこちょいだと自覚して
気が緩んだら転ぶかもしれない
転んで怪我したら管理者様に大迷惑かけるんだから絶対に安全第一。
ということで足元注意で敷地に入らせていただきました。


現在地、取水口の横です。
川との間が広いプールのようになっていますが
この部分は沈砂池という扱いになります。

沈砂池の向こうにはずらっとスクリーンが取り付けられたピアが並びます。
ピアが建っている部分が溺堰堤になります。
スクリーンで流れてくる細かい木の葉や塵を捕捉しています。

相楽発電所は発電形式(落差の取り方)はダム式
発電方式(水の運用方法)は流れ込み式という珍しい発電所なのです。