志津見ダム 見学 その5

試験湛水の最終試験日。
サーチャージ水位を達成した時に管理所の方はどんなお仕事をしているんでしょうか。
通常、土曜日・日曜日・祝日は国土交通省のダム管理所には
宿直の方(国交所の方では無い)だけが詰めておられるのですが
試験湛水中のダムは土・日・祝でも必ず国交省の職員の方が管理所に詰めておられるのだそうです。
試験が無事に終了し、通常管理に移行するまではその体制で臨まれるとか。
ここはゲートレスだし小放流設備としてバルブは持っているけど
もし急激な降雨があってサーチャージ達成が土・日・祝になったら
そういう時はどうするんだろうと思っていたのですが
そういう心配はなかったようです。

天端越流が始まったのは何時頃だったのかとお聞きしました。
「3/30のam3:00頃でした」
「その時の流入は6.47t/sでした」
「それまでも河川維持用水として一定量をバルブで流していました」
なんと真夜中に越流は始まっていたのです。
これは部外者のダムマニアが現場にいたとしても越流の瞬間を写真で抑える事はとても難しかったかと。
管理所の方が貴重なCCTVの映像や写真での記録を残してくださっていることに期待です。

試験湛水の最終試験・サーチャージ水位に達して24時間の間に
管理所の方が観測しているのは
・地山の安定
・堤体の安定
・デフレクター等、設備の機能確認
etcです。
ゲートを持つダムならここにさらに各ゲートの動作確認という作業が加わります。
物凄く忙しいはず。

副ダムの機能は完璧か
減勢の効果は出ているか
滑らかに波立たずダムから水は出ているか
バルブの機能は損なわれていないか
見なくてはならない場所はダムサイト全体です。
全部にOKが出ないとダメなのです。
そして観測機器だけではなく人の目できちんと目視という作業が加わります。

人の目できちんと確認するという作業の為に
堤体を巡視する職員の方を見つけた瞬間に撮影したもの。
人がいると堤体のでっかさがリアルに分かりますね。
私の写真が下手なものでコンパクトに見えていますが
志津見ダム、ほんとにでっかいんですよー。
「CCTVカメラのある堤体下流にはいつごろ入れるようになるんですかー」
「まだ工事中ですから・・。後、二ヶ月くらいはかかる予定です。
6月末にはまず入れるようになると思います」
「では森湖の頃には大丈夫って事ですね♪」
その頃にはダムカードができていることに期待。
そしてその写真は今回の天端越流の写真である事に期待。
「このダム周辺の見所ってなんですか?お勧めのシーズンとか?」
「秋が一番綺麗だと思いますよ。山の紅葉も色とりどりですし」
色々お話を伺ってとても嬉しい。
しかしお仕事の邪魔をし続けるわけにはいかないのでお礼を述べて管理所を出ました。

明るくなってきたので説明板も撮ります。
志津見ダムのお仕事とスペックが詳しく書かれています。
しかし
ここには志津見ダムが持っているカッコいい設備の説明がないのです。
それはあの沖縄の羽地ダムで採用されているエアロック式の選択取水設備と同じ仕組。
『連続サイフォン式取水設備』です。

ゲートレスで堤趾導流壁。
波返しのいかつい感じがいいですね。
減勢池の壁の高さだけでも22mもあるのには吃驚です。

川の流域のそれぞれの場所によって実施される治水対策は様々です。
ダムで急激な水位上昇を食い止めて守ること
川と川の間で水をやり取りして水位を上げないように工夫すること
水が流れやすいように狭い場所を開削すること
全ては洪水から人の暮らしと命を守るために実施されます。