白岩砂防堰堤視察歩行会 その2

ひたすら歩くトロッコに乗れるわけでもない、かなり過酷な会なので
参加者の方、少ないんだろうなと予想していたのですが
軽く100人は超えていて吃驚しました。

立山カルデラの大人気ツアーはトロッコに乗れる体験学習会です。

立山カルデラ砂防博物館が開催してくれていますがこれがなかなか難しい。
当選しても当日のお天気が悪かったら中止になるという見学会なので
県外からの参加だともし中止になった時のダメージを考えるとリスク高し。

体験学習会にはいろいろなコースがあるのですが
みんなトロッコがお目当てだからひたすら歩くツアーは
不人気だろうと思いこんでいました。

なのでこの視察歩行会もハードコースだしトロッコ乗車できる体験学習会よりは
倍率低くて参加できる確率高いよねと思い込んでいたのですが
なんとなんと定員オーバーの大人気!!

早めに申し込んでおいてよかった…

そして・・・

参加者の皆様、みんなトレッキングや登山を趣味にしている方ばかりなのか
装備がちゃんと山仕様。

カメラバッグと普通のカバン下げているのは私だけ。
ふざけたカバンの中身はタオルと合羽とカロリーメイトとチョコレート。
500ccのポカリスエットに緊急時に使用する広幅弾性包帯。
ポケットにグミとコーヒー牛乳。
ストックも邪魔になるからと車に置いてきてしまいました。

だって・・
そんなトラバースしなくちゃいけないようなところ行かないはずだし・・
荷物、多いの嫌いで全部ポケットに必要なもの入れてるし・・
普段のダムめぐりの時と同じ格好で来ちゃったよ・・
でもブーツじゃなくてトレッキングシューズだけは履いてきたけどさ・・

出発前からちょっと不安が。


砂防事務所の前からまずバスに乗り込んでスタート地点に移動します。
バスの中で案内をしてくださる国土交通省の方から立山砂防についての説明。

立山カルデラって何ですか?という方は
立山カルデラ砂防博物館のHPを御覧ください。

とにかく勉強できるものいっぱい
楽しい展示いっぱい
そしてフィールドウォッチングとして大人気の体験ツアーがこれでもかと用意されていて
企画展の回数も半端なく多い
素晴らしい博物館です。
でも楽しく勉強できるだけじゃないんです。
ここは砂防の聖地。
日本の砂防の歴史を語る上で絶対に外せない場所なのです。
常願寺川と砂防については当方でもいくつか書いています。
横江頭首工、本宮堰堤のレポート、などもご覧ください。


今回のスケジュール。
私のぼろぼろの足でこの通りにたどりつけるんだろうか。

心配していると国土交通省の方が説明を。

「今回は1グループから4グループに分かれて出発します」
「もし、遅れた時は後ろのグループに入っていただきます」
「さらに遅れたらその後ろのグループに入っていただきます」
「どうしても駄目になったら一番後ろからついてくる救護車に乗って戻れます」

すっごぉい!!
遅れる人が出ることも想定してある!!

という事は・・
1グループが一番脱落しやすい人がいるってことなのか?
いや・・とてもそうは見えなかったけど
一番脱落しそうなのは私だけど
たぶんこのグループ分け、申し込み順だと思うし

皆さん、体力に自信のある方ばかりみたいだから
まず心配ないだろうけど

救護車だけは嫌だ
白岩に会えないじゃないかっ
白岩の横は階段だから
足が壊れたって絶対ついて行くぞ

何度も何度もこのツアーを企画するために職員の方が歩いてコースを考え
万全の態勢で開催されたのがあちこちから伝わってくるので
これは参加者としてもベストを尽くさねばならないと気合は入ってます。

問題は足だ足。
持病を抱えたこの足だ。
みなさんの足を引っ張るであろうこの足だ。


天鳥トンネルという場所にバスが到着して全員降車。
さぁ、ここからスタートです。

と、周囲を見ていると目の前の砂防工事専用軌道のトロッコ列車が
ぷっぷーとホーンを鳴らしてころころころころと走っていく。
か・・可愛い。


専用軌道を守るために山に張られたリングネット。
落石を受け止めるお仕事です。
去年の建設技術展でハイジュールネット工法を教えてもらっていたから分かりました。


トロッコの軌道の横を歩いて行きます。
いきなりトンネルからスタート。


皆さん歩くの早い上に立ち止まると後がつかえるので
写真撮るのがもう必死。

出口近くでやっと撮れました。
現在地、標高611m。


トンネルを抜けると広い谷の横にずーっと工事用道路がありました。
あとはひたすらこの工事用道路を進む。

しかし広い谷です。
山の稜線を見ていくと昔の真川はもっともっと深い場所にあったのだろうという事が伝わってきます。

崩壊地の土砂が何度も流れ出し
この深い谷の川底をあげてきました。
そして今ではこんなに広い場所ができたのです。

土砂を食い止める砂防堰堤がこの土砂が下流に流れ出す速度をゆるめ
災害が起きないように頑張っているからこんな平らな場所ができたのです。


きょろきょろしていると何か見えてきました。