青土ダム見学 その3

もしかして..もしかして..凄く良い日に来てしまったんではなかろうか。
チラッと見えたのは常用洪水吐きから水が流れているような...。
ダムで常用洪水吐きから水が出ているところ自体に中々遭遇しないのに
こんな珍しい構造のダムでそれに遭遇できたとしたら物凄く幸運です♪

とりあえず動揺しましたが事故を起こす前に車を進め、天端を渡りきり、
管理事務所側のパーキングを探します。


ダムの説明板に常用洪水吐きについて記載されています。

常用洪水吐き
 ゲートレスオリフィス 2門
 ゲート付オリフィス  1門
 (ラジアルゲート5×6m)

非常用洪水吐き
 クレスト自由越流

『ゲートレスオリフィス』 『自由越流』 この単語が私を悩ませて来ました。
ゲーレスオリフィス → ゲートがついていない孔
自由越流 → 勝手に水が堤体を越えて行ってOK

ダムなのに調整無しで水を下に流すなんてそんな事があって良いのか?
豪雨がダムの貯水能力を越えてしまったらどうするの?

以前、見学した宇曽川ダムでこの文字を見た時に、どうしても私の固い頭は
意味を理解できなかったのです。
この単語を琵琶湖博物館でダム資料を調べている時に学芸員の方に
ぶつけた所、かなり困らせた挙句、こんな返事が返ってきました。

「この博物館より『アクア琵琶』さんの方がダムには詳しいし資料も多いと思います」

『アクア琵琶』は琵琶湖の南端、南郷洗堰の横にある国土交通省・琵琶湖工事事務所
水資源開発公団、琵琶湖開発総合管理所が共同で管理している施設です。

青土ダムの建設資料のコピーを手に『アクア琵琶』に行った私に副館長さんが
ゲートレスダムが何故成り立つのかを説明してくださいまして、やっと納得できたのです。


晴れた空の下に鈴鹿山脈の山並み。沸き立つ雲。
横たわる堤体。満々と満たされた水。そして洪水吐き
なんて素敵な情景でしょう(馬鹿)

「洪水吐き〜♪」


「あああ〜やっぱり やっぱりあなた働いていますね。」
「放水しているじゃないですか!」
「その変わった洪水吐きを自慢しているんですかっ♪」


「♪うわぁぁっ♪めっちゃラッキー♪」
「働いているじゃないですかっ。働き者ですねっ。」


「あなた反則です!」
「ちょっと綺麗過ぎですよっ!」
「なんてことでしょー♪」

 ↑ 現地でこんな言葉を一人で叫びながら写真を取りまくっていた
私を警察に通報する人はいませんでした。