猫又堰堤 見学 その2
強い強い出し平ダムの見学をさせて頂いた後
続いて見学させて頂いたのが黒部川第二発電所と猫又堰堤です。
黒部川を襲った大災害
その復旧工事と対策
どうしてもそれを見て勉強したかったので
出し平ダムと同じく、ホントにお近づきさせて頂けるとの事に
ありがたくてふるふるしております。
トロッコから出し平ダムのダム湖を見ていると何か見えました。
「新黒部川第二発電所の新しい放水口ですよ」
と、教えて頂きました。
新黒部川第二発電所は黒部ダムからのお水で発電している地下式の発電所です。
元々、新黒二の放水口はもっと上流にあったそうです。
しかしここも平成7年7月豪雨の影響で土砂で放水口が塞がれて
発電ができない状態になり、土砂の除去工事を繰り返して発電できるようにしたそうですが
出水のたびに土砂が塞ぐので新しく下流に付け替えたのだそうです。
到着しましたー♪
猫又駅も出し平駅と同じく一般の観光客は乗降できません。
ヘルメットをかぶって関西電力の方と一緒にホームに降ります。
黒部峡谷鉄道に乗ると駅駅でこの説明板があり
乗降はできなくても各発電所のスペックが見られます。
黒部川第二発電所は72000kWも発電できるのです。
昭和11年竣工でこのスペック。
凄いですね。
黒部峡谷鉄道から一段下がったところに黒部川第二発電所に続く専用線が通っています。
線路の横を転ばないように気を付けて進みます。
国土交通省黒部工事事務所が公開されている
『平成7年7月-黒部川水系出水災害の記録』のパンフレットがあります。
表紙はまさにこの場所の空撮写真。
猫又谷の崩壊地です。
今歩いている場所が左上の写真の場所。
この場所に、視野いっぱいに土砂が押し寄せていたことが分かります。
猫又堰堤はゲートピアまで完全に埋まってしまいました。
一面の土砂の海。
そこに橋が乗っているように見えるほど。
今、この場所に立っています。
黒部川第二発電所真向き。
今見えている擁壁は平成7年7月豪雨の後に新しく造られたものです。
小屋平ダムから送られてきた水がここで水車を回しても
その後、黒部川に流れ出す事が出来なければ発電はできません。
その水の出口である放水口が見えています。
災害直後は見えませんでした。
今見えている黒部川第二発電所の一階部分の床の高さまで
大量の土砂で埋められてしまったからです。
一面の土砂を何年もかけて掘削し、除去して川の流れをつくり
発電所を復旧しなくてはなりませんでした。
豪雨災害の前にこの場所はこんなに川底は高くありませんでした。
10m近く低い所に川が流れていました。
土砂が川底を上げてしまいました。
水量が少ない川であればここまでの苦労はなかったと思います。
しかし水力発電の聖地としてその豊富な水量を元に開発されてきた黒部川。
この大洪水の後も出水は何度もやってきます。
そして出水のたびに上流の崩壊地から土砂がやってきて
流れは形を変え取り除いた土砂の後に積もります。