村山下ダム 見学 その3


天端、右岸側です。
とても広々としています。


こちらが村山下ダムでいちばん有名な取水塔。
しかし気になるのはむしろ手前の余水吐の越流部。


石張りなので美しさ倍増しています。
越流部を超えた水がぎゅっと絞り込まれて
余水吐のカスケードに導かれていく設計です。


取水塔が可愛いのは言うまでもないのですが
位置が気になりました。
これだけ大きな貯水池なので
アースダムなので
むしろ、取水塔はもっと岸から遠く
元々の河道で深いところに造られるべきという気がしたので。


実際、取水塔は二つあります。
貯水池の奥に第二取水塔が建っています。
このあたりの経緯はちょっと勉強不足で現地で分からず終いでした。


天端右岸の広場にはたくさん説明板があり
村山下ダムの耐震補強工事の過程がばっちり学べます。


どこをどう補強したんだろうと図面をじっと見る。

センターコアのあるフィルダム。
ただ、少し、フィルダムにしてはスレンダーボディ。
特に貯水池と反対側、ダム正面の法面勾配を見ていると
細見の堤体だなと気になる。


現在の断面図。
色が変わったところを盛り立てて補強しただけと思ってしまうと
重力式コンクリートダムの堤体の補強での上流面腹付みたいに見えますが
そもそも盛り立てたのは下流側です。


工事中の写真も展示されています。


そして凄いのがこの年表です。
各地に古い貯水池はたくさんありますが
近代水道ですから貯水池にかける気合と期待が
たくさんの記録で残っているんですね。
見ていて嬉しくなる記録写真です。


貯水池は多摩湖。
とても有名な多摩湖。
奥多摩湖は別。


コンクリートと丸石でしっかりと固められ
安心感抜群の堤体貯水池側法面。

後で左岸にあった説明板を読んでわかったのですが
これは戦時中に堤体を保護するために堤体表面を覆った
耐弾層という構造物なんだそうです。


昭和2年に竣工した村山下ダムですが
戦時中に姿は変わり、堤体補強工事で
法面勾配は色々変わっているようです。
一番見たい波除堤の有無はというと存在したのかも含めて
今の風景からは読み取れないですがこれは仕方ないですね。


貯水池の方を見ると車の行き来が見えたのでズームしたところ
シリーズダム状態になっている、貯水池上流の
村山上ダムの天端を行き来する車であることが分かりました。