宮川の素敵な発電所 その2


個人的に大好きなコンクリートの苔生し。
いいですねぇ。


階段を上ると水槽の中が見られます。
わくわく上ると…。


すごい勢いで導水トンネルから水が来ていました。

えええっ!!
い、一応、自由水面持ってるけどこれってほぼ圧力隧道かというくらい
すごい量の水がすごい勢いで出てきてるっ!!


「ここを点検で歩いて来るんですよ」
「ここまでずっとこのくらいの大きさのトンネルなんですか」
「そうです。それでやっとここにたどり着いて外に出てみる景色が最高なんですね。」

宮川第一発電所からここまでのこの導水路トンネルは7.6kmもあるそうです。
トンネルの径はとても大きいので閉所恐怖には陥らないと思いますが
距離がとにかく長いです。

宮川第一発電所から第二発電所の落差が135m。

登り始めた場所からここまでが等高線でざっくり見ただけでも110mくらいだったので
この導水路トンネルは勾配はとても緩やかに造られているのかなと思いました。

というか導水路トンネルとかトンネル式洪水吐ってトンネル部分の傾斜って
想像より緩やかなことが多いので何か難しい計算式が絶対あるに違いない。

自分の賢くない頭ではさっぱりわからないですが
きっと勾配はここまでで抑えるように!!とか理由があるはず。

※後日、お聞きしたところ、勾配は1/1000だという事でした。


不思議だったのはこれだけの水が来ているのにわずかに波立ってはいますが
綺麗に水圧鉄管に流れ込んでいること。

こんなにパーフェクトに水が管理されることにびっくり。


びっくりするくらい静かに
びっくりするくらい滑らかに
大水量が移動していくのがほんとに不思議。


水圧鉄管に入る部分でも大きな渦や波はありません。


しかしこれだけの大水量がこんなに滑らかに移動するって不思議で仕方がない。
普通、波立って暴れると思うのです。
水位一定で綺麗に流れていくのは電力会社様には当たり前のことなんだとか。
すごいなぁぁぁ。


そしてこちらが発電所がトリップした時に
余水路に水を流れ込ませるための越流堤になります。


余水路の管路入口です。
綺麗なベルマウス形状。


入口にワイヤーが張ってありました。
もし、もしですが、足が滑っても管路に落ちていったりしないように
ちゃんと対策されているわけですね。
落ちていくのを想像したらものすごく怖いです。


ヘッドタンクは今まで何か所かの発電所で見学させてもらって来ましたが
こんなに海が近い絶景ポイントのヘッドタンクは初めてです。
中部電力様が自信を持って絶景ポイントだと推すのに納得できました。

曇りの日でもこれなんですから
晴れた日だったらどれだけ素敵でしょう♪


ヘッドタンクの端から見た絶景。

いや、絶景というシンプルな言い方だけでは足りないかも。
ここは水力発電の落差をばっちり体感できる場所なのです。

遠く、宮川ダムから届いた水が発電所の水車を回して
また導水路トンネルを通ってここまでやってきて
水圧鉄管を流れ下って下に見えている発電所で電気を作り
放水路を通って海に流れ出ています。

宮川の河口は伊勢市にあります。
この発電所を経由して流れてくる水は遠く離れた紀北町の三浦海岸に届いているので
流域変更になります。

地図で確認すると実に壮大な計画だなと感動します。
ぜひ、地図で全体像を見てほしいです。