真立ダム 見学 その3

工事現場は高所作業を開始する時間より早かったという事で
通していただくことができました。

ひたすらてくてく上流を目指して歩きます。


北陸電力の発電所が次々と現れますが
これは有峰第2発電所です。

先ほどは小口川第1発電所の横を通ってきて今度は有峰第2発電所。
同じ川沿いの道にあるのに次々と名前違いの発電所が番号付きで登場。
とにかくたくさんあるのです。

このあたりの発電所の位置を見ると凄く複雑・・・。
いや、それは私の頭がよろしくないからなんですが。

この常願寺川水系の発電所の水の流れを地図にかけというテストが出たら
赤点間違いなし。


どんどん進んで北陸電力の小口川第2発電所です。
この発電所に水を送っているのが真立ダムです。

熊も出るという山に入ります。
熊鈴リンリン。
ひたすら、ひたすら山を登るしか真立ダムにたどり着く道はありません。。


多分、北陸電力の方は真立ダムに行く時には
ヘリコプターを使って行き来しているのだと思いましたが
これも常願寺電力部の方にお聞きしたところ
日常的に徒歩で堤体まで行っておられるそうです(!)。

もしかして
いや、もしかしなくても
北陸電力常願寺電力部はほかの電力部の方に比べて
非常に苛酷な職場なのではないかと。

一雪降れば絶対に通れなさそうな道です。

ヘビーだ・・・。


水圧鉄管の先にサージタンクが見えても道のりはまだずっと遠いのです。
気合で山道を登ります。
水圧鉄管の階段は登ったりしません。
その方がより消耗する事が明白です。


30分以上かかってやっとの事で山の上にたどり着きました。
等高線の入った地図で周囲を確認。
ハンドヘルドGPSが欲しいです。


昔ここを資材運搬用の鉄道が通っていたのでしょう。
平らな道には線路が埋もれて見えていました。

鉄塔を追うように奥へ進みます。


30分ほど歩いたでしょうか。
突然視界に車が飛び込んできました。

人の気配はありません。

近づくととても古い車でナンバープレートも付いていませんでした。

どうやってここまで持ってきたのか不思議です。
車もヘリで持ってきたんでしょうか。
燃料はどうしていたんでしょうか。

軽索というものがあるのでそれを使ったという事ですが。
いずれにせよ山の上に物を運ぶのは本当に大変。


そしてコーナーを曲がるとちょこんとかわいらしい
トロッコのような車体が格納されている場所に出ました。

鉄道マニアの方の中では有名な小口川軌道のパジェロ号のようです。


荷物を運ぶ時に使う台車もありました。
鉄道についてあまりにも不勉強で
この車両を目にしていることの価値がちっともわからないので
とりあえず荒らさないようにそっと横を通り抜けました。


パジェロ号の基地から進んですぐ、線路に上にいくつも石が落ちていました。
運転する前には全部取り除かねばならないのでしょう。


見晴らしの良いところに出るたびに真立ダムの姿を視界に探します。


軌道の横にはこんなコンクリートの遺構がいくつも残っていました。
造りが有峰ダムの横に付けられていたトンネルタイプの管理道路と同じです。

これは雪崩などの好発部に作られる冬季隧道だそうです。

現在は中に資材などを格納するのに使われていました。


そして見晴らしの良いところで鉄塔と電線を視線で追いかけていて
ついに目視できました。

あの格子はバットレス!
間違いなくあれは真立ダム!

背後の水圧鉄管が上部の祐延ダムからのものでしょう。
ついに真立ダムが射程に入りました。