丸山ダム 見学 その13

「洪水調節で頑張って限界超えたわけですけどするべき仕事全てしたわけですから仕方ないですよね。」
「そう思ってくださる方もいれば、何で洪水が起きたんだとお怒りになる方まで様々です。」

頑張っても評価してもらえない事。
どうして頑張っているのに評価してもらえないんだろう。
国のダムだから?
やってあたりまえと思われているから?

ダムの洪水調節に何の効果もないという人の声を聞くたびに
やれる限りの事をして頑張っても浴びせられる罵声がある事に
自分はいつも頭をよぎるシーンがあります。

ダムとは無関係の
阪神大震災のときに現場で必死で戦っていた消防士の方の声なのです。

ホースを手に燃え盛る火の前で建っている消防士に周りの人が怒鳴りつけます。
「なにやっとんじゃ!はよ水かけんかいっ!!」

その声に消防士の方が消え入りそうな声で答えるのです。
「水が出えへんのや。水が来とらんのや..」

逃げ出したくても出来ない職業についたものの使命。
できることを少しでもしたい。
でもその能力をはるかに超える災害がきたのです。

天災の前に無力な人の力。
それでも頑張ったのに
与えられたのは罵声だけ。
そんな馬鹿な事は無いはずなのに
人のためにと頑張ったのに

震災後、過労、心労で多くの役所勤めの方々が自殺しました。

感謝の言葉があったら
ねぎらいの言葉があったら
せっかく助かった命を絶たずに済んだんじゃないんですか。

いつもそれを
ダムの治水を考えるときに
思い出すのです。
 

 


そして最近の写真。
洪水調節中の丸山ダム。

「あ、あの...管理所が水煙の中で見えないんですけど...」
「ダム下流側に管理所があるのはめずらしいでしょう。」
「もしかして周辺凄い事に?」
「最近のダムはみんな天端の横とか高い場所にありますがここはこの場所なのでこの通りです。
水はもちろんですが流木とかも飛んできて窓が割れたり大変な事になります。」

私の中では大変珍しい『水かぶり管理所』と命名されました。
クレストゲートを開けるときは命がけの丸山ダムです。

また、管理所が二つあるということでこのダムは洪水調節の管理も分担されています。
2500m3/sまでの洪水調節は関西電力側で、それを超えるときは国土交通省側で操作を行うというのです。
新丸山ダムになってからは国土交通省で一本化されるということですが管理所が二つというのはややこしいです。


完成までの写真が見られるパネルです。
建設中もたびたび出水しました。
堤体に開けられた仮排水トンネルから物凄い水が出ている写真が中央にあります。


「もしかしてこれ、堤体越流してますぅ?」
「はい。工事中、排水トンネルで捌ききれなかった場合はこうなります。」

工事中に出水して堤体越流という事例は奈良県の電源開発・坂本ダムで知っていましたが
実際に写真で見ると物凄い状態ですね...。
 


そして監査廊の奥に進むと凄いものが額縁に入れられて保管されていました。

当時の青写真です。
文字が凄いっ。手書きだっ。
かっこえええ。


手元に頂いたパンフレットにもこの図がありました。
現物は凄い迫力です。

で、でもここには原版で展示よりレプリカの方がいいと思うんですけど。
湿気高いし。