日吉ダム取材見学 その2


折角来たのだから堤体を愛でに行きます。
ゲート工事の人が作業中でした。


今はとても水が少ない大野ダム・虹の湖です。
周辺の土質や傾斜、日当たりとも関係があるのか
緑が美しいです。
絶壁かというくらい傾斜のきつい渓谷で水位変動が激しい発電ダムでは
ダム湖岸にこういう緑ってありません。

2004年の台風23号がもたらした雨を受け止めた時
この緑の岸辺は水没していました。


その時の様子はビジターセンターで見ることができます。


予備放流で水位を40mも下げておいたにもかかわらず
ダム湖への流入量は凄まじく見る見るうちにダム湖水位が上昇しました。


但し書き操作に入る水位まであと少し
サーチャージ水位まであと6m。

そこで管理所に入った連絡
“下流で堤防が溢流して動けなくなったバスが取り残されている”

但し書き操作に入る寸前の大野ダムの下した決断
それは可能な限り
治水のために生まれたダムとしての使命を果たすため
自らがすべきことを最後まであきらめずにやってみようという決断でした。

そして放流量をぎりぎりまで絞リ続けたのです。

またここでうるうるしてしまいました。
何度見ても感動するなぁこのグラフ。


と、毎回、来るたび感動してしまう大野ダムを後にして日吉ダムにやってきました。


日吉ダムです。
いつ見てもカッコいい水資源機構のビジュアル堤体。


前回来たのはダムカードが発行された直後。
何度来ているのかという日吉ダム。
この方面に来たら大野ダムと日吉ダムはセットで必ず立ち寄ってしまいます。


今年はお水が少ないんです。
ここ、日吉でも渇水対策本部が設置されています。
程よく雨が降らないかなぁ。


と、堤体をさらっと見た後に、管理所に伺いました。
「日吉ダムの恵み堆肥」の袋はさておき何で管理所に行ったのか。

それは管理所2階の事務所前ホールにいろんな資料や冊子があることを知っていたからです。
自由に閲覧できるようにしてくださっているのでこれで最新情報をチェックしようと立ち寄ったわけです。

ダムに仕事で来ている業者の方も不思議そうな目で見ていますがお構いなしに
ホールの資料を床に正座して読み続けていました。
何で正座していたかというとホールのソファーが書架から微妙に遠いから。

そして何冊も読んでいるうちに、一冊、読んでいてわくわくが止まらない凄い冊子に行きあたりました。

 但し書き水位操作について
 発電ダムの洪水調節協力について
 鶴田ダムの洪水調節のインタビュー
 ・・・
正座して足がしびれて立てなくなっているのを忘れるくらい隅から隅まで読んでしまいました。

お昼休みをお知らせする音楽が流れて事務所から出てきた職員の方を見つけた瞬間・・・

「すいません。あの、この冊子、凄い勉強になることが書いてあって・・
欲しいんですけど閲覧用なんですよね。予備とかありませんか?」

職員の方、一瞬びっくりされたようですがすぐ書架を調べてくださいました。

「はい。・・・えーと、これでしたらどうぞお持ちください」
「え!! いいんですか」
「こちらの棚に置いてあるのはお持ち帰りいただいてよい分ですので」
「いいんですか。あ、ありがとうございますっ」

図々しい申し出にも驚かず、穏やかに対応してくださる職員の方。

「あの、たしか、昨年、ダムカードを(管理所に)取りに来られた方ですよね」

突然の指摘にこけそうになりました。

「はい・・そうです。覚えて頂いてたんですね・・」

ダムカード貰いに来た時に事務所入り口で副ダムの減勢について
いろいろ聞いていたから印象に残っていたようです。
覚えていただいていた時には嬉しい気持ちと恥ずかしい気持ちと半々です。


ということで日吉ダム管理所で大変、勉強になる資料を頂き
ウハウハしながら半ばスキップで駐車場に戻ってくると
ダム『京』の管理人・さんちゃん様がいらっしゃいました。

「こんにちはーーーー」
「あ、夜雀さんや」
「島地川のダムカード見せてくださいー」
「(笑)どこ行ってはったんですか?」
「管理所〜♪」
「日吉のダムカードは持ってるんとちゃいましたっけ?」
「資料閲覧さしてもらってました。ほらほら。こんなすごいの貰った♪」


と、会うなり島地川ダムのダムカードを見せていただく。
RCDが見たかったんですよね。
さんちゃん様のダムカードホルダーはすでに2冊目。
凄い枚数を取得されています。

ダムカードをるんるんしながら見ていると駐車場に一台のバンが入ってきました。
そしてさんちゃん様がそこから出てきた方と何やらお話をされています。


ダムカードから目をあげるとTVカメラ。
そしていつの間にかお越しになっていた水資源機構の偉い人。
さんちゃん様にそっと聞く。

「・・何なんですか?」
「今日、ABCの番組でダムカードについての紹介をするからその収録です」
「ほほー」
「夜雀さんもご一緒しませんか」
「普段は入れない所とか入れる?」 ←それが目当てか
「インフォギャラリーとか入りますよ」
「あ、今日、インフォギャラリー休館日で入れないと思ってたからそれ嬉しいな」 
「じゃ、ディレクターさんに紹介しますね」

と、突然、呼ばれてもいないダム愛好家、TV取材に同行する。


まず最初に下流広場で撮影するとの事で
TV局のスタッフの方、出演者の方、資器材を手に天端に移動。
さんちゃん様とお話しているのは今回ダムカードを紹介してくださる、たつを様。
こんな若いイケメンの方がダムカードを紹介してくれたら
また愛好家の女子率アップか!?と期待。


天端のエレベーター棟です。
最近は来るたび休館日とかでふられ続けていたインフォギャラリーへも
このエレベーターで行くことができます。


エレベーターを降りたところにあった貼り紙。

そーか、自転車持ち込んで天端と下流側を行き来する人がいるのか。
自分にはあまり考えられない発想なんですが。

もしかして日常的に自転車でエレベーターが身についている人なのか。
安治川河底トンネルユーザーか。


インフォギャラリーから下流広場に出てきました。


やっぱり日吉はこの下流広場から眺めると素敵ですね。
ABCの方がこのダムでって決められたのでしょうか。

どこからでも堤体を愛でられて資料館も充実している日吉ダム。
確かにダムとダムカードの紹介ということでは
ビジュアル系の日吉を選んだのは大正解と思います。