平鍋ダム 見学 その2


電源開発様の高知電力所に向かいます。
川を挟んで反対側にあるのが長山発電所です。

奈半利川にあるでんぱつ様の発電所で一番下流になります。


到着しました。
この直前に突然、愛用のカメラに不具合発生しましたが
撮影は可能だったのでそのまま行くことに。
肝が冷えた…。
いや、一応サブカメラはいつも持参していますが。


電力所に入って壁に掲示されていた写真を見せていただきました。

T1106による降雨で奈半利川の水位が上がり
この高知電力所を対岸から見た時の様子です。

敷地にこんなに水がっ…
とんでもねーーーーっ!!

現地見学の前に、奈半利川のダムと発電所の基本情報を学びます。


奈半利川にはでんぱつ様の魚梁瀬ダム、久木ダム、平鍋ダムが本川にあり
発電所は魚梁瀬発電所、二股発電所、長山発電所の三つです。

そして支川には取水堰がたくさんあります。
安田川の上流に安田川本流、長滝川、栃谷川、久藪谷川に取水堰堤、
中ノ川に中ノ川取水堰堤があり、魚梁瀬ダムに水を送っています。

また、小川川には尾河取水堰堤、
月谷川には月谷第一、第二取水堰堤があり
久木ダムからの水と合わせて二又発電所に水を送っています。

二又発電所で電気を作ったお水はそのまま平鍋ダムの貯水池に入ります。
無駄なくお水を大事に発電に利用です♪

平鍋ダムからのお水はこの高知電力所の目の前にある長山発電所に届きます。

流域の施設について、一通り説明を受けてから
ダム見学させていただきました。


まず、高知電力所から一番近い、平鍋ダムです。


ダムへの管理道路の途中にこんな場所があり
誘導員の方が立っておられました。

「ここは何なのですか」
「少し離れた所にダムから引き揚げた土砂を仮置きしているところがあるんですが
そこからの土砂をトラックに積んで、ここから川に落とすんです」
「おお!!フラッシング用の置き土砂の投入口なんですね」
「今日も作業しているトラックが来ているので後で見られるかもしれませんよ」
「それは楽しみです♪」


さらに進んでいくと平鍋ダム撮影定番ポイントに到着です。
ゲートがあるのでここから先には進めないというだけのことですが。

そして2012年の撮影写真に比べるとシーズンも違うからというのもありますが
木々が茂ってなかなか堤体が見えない状況となっております。


見えるところを探してちょろちょろ動き回ります。


ラジアルゲートですが、扉体上端にデフレクターがふたつあります。
越流型の扉体です。
もし扉体上部を越流したとしてもアーム部分にできるだけ
水が当らないように取り付けられているものです。

フラッシュボードが装備されていたのに動かないように
固定されてしまっています。

各地のフラッシュボード付ゲートが同じように可動禁止になっています。
自然な河川だったら流塵も流木も本来、流下するものなんですが
大出水の際に、下流の橋で流木が引っかかって落橋したりする事例が
あまりにも多いことを考えるとダムが捕捉したものはそこで留めておいてほしいという
下流からの要望はよくわかります。

未曾有の水害が起きた時に上流の大規模崩壊地から
とてつもない土砂や流木が川を流れ下ったけれど
ダムの直下にあったために、莫大な流木をすべてダムが補足したために
落橋をまぬがれ、洪水の直後も生活を支える交通路として活躍できた事例があります。
昭和36年の天竜川で起きた“36水害”の際の佐久間ダムと
佐久間地内にあったB型鉄橋です。

ダムは洪水時に水だけではなく木も補足して流域のインフラを守っているのです。
こういう活躍も世に知られてほしいです。

出水の後、ダムが捕捉した流木を引き揚げるのはダム管理者のお仕事になっているので。
もちろん費用も全部ダム管理者で出すことになっています。
これについては土地の提供や資金面で補助がほしいな〜と思う事はあります。


ゲートが開きました。
天端に入らせて頂きます。


真横から見た平鍋ダムです。


そしてでんぱつ様のダムらしからぬ
まるで個人宅の表札のようなかわいらしいダム銘板。


「電源開発株式会社 平鍋ダム 一九六〇年六月竣工」


天端を右岸から見たところです。

T1106襲来時に発生した段波は水面から約5mもの高さに達したといいます。
当時の貯水位から考えて、天端の上を超えていった高さは
約2mくらいであっただろうという事です。


元気よく水が出ている音がしていたので下流側を覗き込むと
土砂吐のルートで河川維持流量が供給されていました。
直下の水の色も美しいエメラルドグリーンで綺麗だなぁと
見ていると…


なぜそう詰まった

次の出水までこのまま突っ張り棒のようにそこにいるパターンかも。