土師ダム 見学 その4

2021年、東京オリンピックが終わるのを待ち構えていたかのようにやってきた
秋雨前線(?)は8月11日から20日ごろにかけて全国的に雨をもたらしました。


これは8月14日am06:00の天気図です。


同じ時刻の衛星画像です。
特に強い雨雲が九州、中国地方にかかっていました。


8月14日のpm01:00、NHKのニュース画面です。
三次市内の江の川の様子が流れました。
川毛地区のカメラです。


同じく、三次市の瀬谷排水機場のカメラです。


8月14日のpm03:00、安芸高田市、福原排水機場のカメラです。


この頃に氾濫発生の報が飛び込んできました。
氾濫したのは三次市内の粟屋町市場地区と米丸地区。
島根県の江津市桜江町田津地区と美郷町南地区。


この後、島根県の江津市で氾濫が更にいくつも発生しています。
桜江町の大貫地区、松川町の長柄地区などです。


大変な雨が降り続き8月15日には24時間雨量でこの状況です。


降り始めからの雨量が凄まじく、数日で8月一ヶ月分の雨量の3倍を超えたところもありました。
特に雨がひどかった佐賀県から長野県まで広い範囲で記録的な豪雨となりました。


またまたリニューアルされた川の防災情報の土師ダムの画面です。
大量のデータが分かりやすいグラフィックで見られるようになりました。


流入量に放流量、貯水位がコピーのボタン一つで一発でとれる(Excelに貼り付けられる)のが
最高にうれしい半面、ハイドログラフが小さくなってめっちゃ見難いのは個人的に残念。


前線性降雨の降り始めからの土師ダムのハイドログラフです。

上の逆向き棒グラフはハイエトグラフで雨量です。
その上に乗っかる折れ線グラフは累加雨量。

下のグラフの水色に塗ってある棒グラフが貯水位です。
赤紫色の点線が異常洪水時防災操作開始水位です。

下のグラフの緑線が放流量、青線が流入量になります。
濃い青色の点線は洪水量を示しています。
流入量がこれを超えると洪水調節、防災操作が開始になります。
なのでそこまで達していない時の流入量は黄緑色の線になっています。

12日に少し降雨に合わせて流入量と放流量か小さな山を作っていますが
これは予備放流ではないと思われます。

11日の時点ですでに予備放流水位までしっかり下げられているからです。
11日の時点で豪雨と戦える準備は整えられていたのです。


8月14日am07:10のナウキャストです。
江の川の流域にかなりの雨が降っています。


8月14日pm02:00のアメダス24時間降水量です。
九州北部が凄まじいですが広島の降雨もかなりの量です。


14日pm04:00の川の防災情報です。
氾濫が発生している江の川は黒色で表示されています。
ダムのマークがいくつか見えていますが
江の川水系では土師ダムと灰塚ダムが洪水調節・防災操作を頑張っていました。


土師ダムは最上流。
そして氾濫が発生している三次市に東側、北側から大きな支川が
何本も合流しているのが分かります。
その支川の一つ、馬洗川の上流域の上下川で頑張っているのが灰塚ダムです。


前線性降雨はいつまで降り続くか全く先が読めません。
一山でダム湖を満杯にしてしまうわけにはいきません。
空を見てレーダーを見て下流をの河川水位を見てゲート操作をしなくてはなりません。


今回の前線性降雨でもピークはひと山ではありませんでした。
13日の大雨の後、断続的に降り続き、14日にもピークが来ています。
きっちり本則操作でピークカットを決めてくれました。