EADC2024名古屋 その2
今回の会議のセッションは以下の4つです。
・気候変動下における貯水池・土砂管理
・ダムの安全性と評価
・ダムの建設・維持管理における新技術とDX
・ダム・貯水池の環境と生物多様性・ダムによる再生可能エネルギーの推進
なのでダムマイスターとダムアワードについての紹介は
特別に許可をもらっての展示でした。
多くの企業のポスターは今回の会議のテーマに沿った内容の発表をされています。
こちらのポスターはクマ所長が四隅にいるのでお分かりかと思いますが
熊谷組様のポスターです。
左は熊谷組のDXについて。
右はダム再生、再開発、改良工事事例を紹介してくださっていました。
菅生ダムのゲートレス化
Gateless conversion
萱瀬ダムの嵩上げ
Raising Structure(+14.5m)
月光川ダムの堤体削孔
Drilling of the structure
西郷ダムの通砂が可能な巨大ゲート更新
Installation Large Spillway Gate
旭川ダムの貯水池内で取水設備更新
A water intake tower witthin the reservoir
曲渕ダムの嵩上げと腹付け♪
Measures for dam leakage and aging
曲渕♪
すごい~♪曲渕の嵩上げ工事の写真だぁぁぁー♪
こちらはでんぱつ様のポスターで
なんとなんと佐久間ダムの再開発工事についての紹介です。
ちらっと世に出回った右岸側の増設洪水吐水路のCG画像。
超絶カッコいい佐久間ダムに何すんねーん!!
完璧な美の佐久間に何すんねーん!!
アシンメトリーにして魔改造して…ちょっとカッコいいやないかーい!!!
と、なっております。
堆砂対策と治水容量の確保。
佐久間は王様ですから。
常に日本のダムの進むべき道を切り開いていく王様ですから。
こちらは長安口ダムの増設洪水吐ゲートについてのIHI様のポスター。
魔改造を極めた長安口ダム。
めっちゃカッコよくなった長安口ダム。
でも、カッコだけでなくこの増設ゲートが化け物だという事を
とにかくたくさんの方に知ってほしい。
このゲート、本気で化け物なんです。
1枚の扉体でクレストからオリフィスに該当する深さまでの水圧を受けて
動作する化け物なんです。
自然界にありえない現象をこの場に作りだして
それを完全にコントロールしている扉体なんです。
もう凄すぎてふるふるしてしまう。
こちらは我々のポスターのお隣に展示されていた関西電力様の
水中ドローンの紹介です。
水路内の点検ができる優れものなのですが
下の紹介写真に琵琶湖疎水の横の宇治発電所の導水路が出ていたので
ここからトビケラの話に転がっていきました。
謎の光線を出して水路内のトビケラの巣を
ばりばりばりとはがせる機能をつけましょう~
などと笑いまくっていましたが
宇治川のトビケラについて知らない人にはちんぷんかんぷんだったかも。
宇治川は昔からトビケラが凄くて
琵琶湖疎水や宇治発電所導水路の内側の壁には
トビケラの幼虫が砂粒で自分が収まる鞘のような巣を作ってしまうのです。
それも壁面を埋め尽くすくらいにびっしりと。
なので宇治発電所導水路では数年に一度、トビケラの巣を取り除く作業が
必要になるほどで、発電所運開直後は水路内がトビケラの巣で
流れが阻害されるために“電気を食う虫”と呼ばれていたのです。
シンポジウムやポスターでたくさんお勉強できて満足していましたが
この後、とても大事なお役目がありましてそれに備えていました。
海外の専門誌のインタビュー
美しい聡明な方と、技術系バリバリのお二人の通訳の方が同席してくださったので
何の心配もいらなかったなというくらい和やかに進行しまして無事終了。
記事については10月にインドで開催される2024年の大ダム年次総会の後に
また発表できると思います。
◆
名古屋入りして3日目の朝。
お天気ばっちり。
日焼けしそう。
テクニカルツアー1日目です。
朝早くから受け付け開始。
カメラクルーは観光庁のチームです。
国際会議の観光活用(MICE)事例として本気の取材チームが同行します。
大型バス2台で別れるのでよっしー様とは別々のバスになりました。
それぞれの班で撮影頑張ります。
私が同行した班ではまず、馬籠宿を観光です。
ガイドの方のお話を聞いて坂道の宿場町って面白いなと思いつつ
水路の水がかなりの量で勢いよく流れているのを見ると
これ全部小水力発電しませんかーーっという気持ちになる。
平日なのにたくさんの観光客がいてさすが人気の観光スポットだなと思いました。
このくらいがいいと思います。伏見稲荷や浅草寺に奈良公園の一部は異常。
馬籠宿からお昼ご飯ポイントに移動して食事の後は
マイクロバス2台に分かれて乗り込みます。
到着したのは小渋ダムです。
ここで小渋ダムが水位低下のためにコンジットゲートから30m3/s放流していたので
参加者、かなりの確率で散らばる。
気持ちがすごくよくわかるダム愛好家。
でも最初にまず説明聞いてほしいのです。
でも熱心に聞くエンジニアの方から、ダム御朱印押しまくる人
ダムカードフレームで記念撮影する人とかなり資料館内カオスでした。
この放流見たら撮りに駆け付けちゃいますよね。
無理もないです。
皆さん記念撮影でとても楽しそうでした。
そして正気に返るべくテクニカルツアーの主役
排砂バイパストンネル吞口に移動してきました。
流木止めにがっちり守られたこのゲートから、洪水時に
ダム下流までダムとダム湖をパスして濁水が流れ下ります。
洪水時に発生する非常に細かい小渋川のシルトと砂が混ざった泥水が
ダム湖に入らないことでダムの中にたまる砂の量を抑制することかでできます。
このシステムがあれば、ダム湖貯水容量を長く確保できるために
ダムの長寿命化につながります。
小渋ダムと美和ダムは排砂バイパストンネルを備えた国内でも数少ないダムなのです。
排砂バイパストンネル吞口から少し下流に移動してきた
小渋ダム貯水池バックウォーター付近の様子です。
かなり土砂が堆積しているのがわかります。
昔ここに架けられていたコンクリート橋の主塔も
上の方だけが砂の上に顔を出していました。
続いてやってきたのは排砂バイパストンネルの吐口です。
バスの中からトンネルが見えるだけでもうわくわく。
降りてきたー♪
すごいすごい。
堤体も近いよっ。
バスの中から確保した写真♪
これは特別見学会でしか見られないアングルです。
という事でマイクロバスから降りた瞬間。
資料館の比ではない散らばりっぷり。
スタッフの皆様もこれはもう予想していたのかちょっとだけフリータイム。
この角度でダムバックで記念撮影できるんですから
みんなセルフィー撮りまくっておられました。