出し平ダム 見学 その3


線路の横の道を進んでいくとこんな構造物が登場。

「これ、何かわかりますか?」

ごっついコンクリート
表面にはなぜか丸太がびっしり貼られている
中はトンネル状になっていて通行できるようになっている

なんだろう?

「さっぱりちっとも分からないです」
「雪崩除けです」
「えっ!!」
「この下が管理所なんですよ。
雪崩が来たらこれで左右にコースを変えて管理所を守るんです」


なんとなんと管理所への道に作られた雪崩対策工だったのです。
豪雪地帯ならではの構造物。


しかし普段は通路で資材置き場。
そして嬉しい説明板まであったりする。

当日はぱらぱら雨が降っていたので
雨宿りしながら説明図を見られて幸せ。


工事中の設備配置が描かれた説明図です。
今いる場所は管理所の真上なので
この図で言うと取水口の上あたり。

むむ。
堤体が上流側に円弧を描いている。
これは基礎部分だろうか。


出し平ダム堤体諸元です。

こうして見ると堤頂136.0mで堤高が76.7mって
どれだけスレンダーな堤体なんだとどきどきします。

先日のwDN-Osakaでダム工学会の偉い方にお聞きしたのですが
堤高と堤頂長が1:2だったらまずアーチを考えると
1:4〜は重力式
1:8〜はフィル(昔は中空重力式も選択肢だったかも)だそうです。

出し平は岩盤さえ良かったなら
間違いなくアーチが選択されていたであろう
V字谷に建設されたわけですね。

そして監査廊らしい線が描かれていて
『Z』字形になっていてこの斜めの監査廊は全部階段なのかと気になる。
階段だったら昇降が大変だと思う。


堤体敷幅は78.0mで堤高とほぼ同じ。
スレンダーボディだから敷幅はしっかり取らないと。
重さが足りなくなるのも嫌だししっかり踏ん張っている感があります。

でもフィレットはほんの少しだけ。
最近よく見られるスカート付きとは違うんですね。
このあたりにかなりしびれます♪

クレストゲートがある越流部はベルマウスっぽく越流部が
上流側に張り出してまーるくなっているのが可愛いいし
スキージャンプは滑らかカーブ。

それに対して排砂路部分はとことんまっすぐ絶妙に下流に傾斜。


雪崩対策工をくぐって進むと堤体が見えてきました。

心拍数急上昇!

でも堤体をすりすりする前にまずは慰霊碑にお参りしなくては。
堤体を見下ろせる場所に造られた慰霊碑に手を合わせてからです。