出し平ダム 見学 その2


2014年10月某日
am8:00の黒部峡谷鉄道宇奈月駅前です。

ここでカメラを首から下げて
どきどきわくわくうろうろそわそわ
不審な行動をとりつつ周囲をきょろきょろ。

ホントに
ホントに
今日、出し平に会えるんだ

どんなにすごいコンクリートなのかな
黒部川に立つってホントにすごい事なんだから
絶対絶対スペシャルな堤体に違いないよ

2012年、京都で開催された国際大ダム会議、ICOLD2012Kyotoで
会場で御挨拶させて頂いた関西電力・北陸支社の吉津支社長様に
2013年、2014年とダム関係のイベントでお近づきになる機会を得て
ダムについて色々お話しさせて頂いていましたところ
私のダムへの思いが伝わったためか
今回、特別に支社長様の現場視察に同行させて頂ける事になったんです!!

いつか出し平ダムを見学させてくださいとお願いしていたのですが
まさか本当に実現するなんて夢みたいです。


集合場所の黒部川電気記念館前に
ユニフォーム姿の関西電力の皆様がお越しになりました。

長靴にも関西電力ロゴマークが入っていて
撮りたかったけどぐっと我慢した。

出発前からあまりアホっぷりをさらすと
見学禁止になるかもと自分なりに意味不明のセーブ機構が働いています。
普段のダム見学と全然緊張感が違います。

あの出し平ダムを見せて頂くんだから
いっぱい勉強しておかなくちゃ!!

と、この日に備えて文献を読むなど
自分の頭で理解できる範囲でですが精一杯勉強してきました。

事前勉強をしていて
出し平ダム自体もスペックが気になって仕方がないのですが
頭にはいつも平成7年7月の豪雨災害の事がありました。


出し平ダムの上流の猫又地内
黒部第二発電所と猫又堰堤があった場所です。
平成7年7月豪雨で黒部川の右岸にある猫又谷が大規模な土砂崩れを起こしました。
その土砂は猫又を埋め、黒部第二発電所の構内、発電機を浸水させ
黒部峡谷鉄道も寸断され猫又地点で河床を10mも上げてしまったのです。

その土砂が出水の度に出し平ダムに押し寄せます。

排砂放流
宇奈月ダムとの連携排砂
細砂通過放流

下流に影響の少ない排砂を目指し毎年進化を続ける放流操作。

そして黒部川で進む堆砂は他のダム湖で問題になっている
細かい粒子のシルト等だけではありません。

激流の黒部川を流れ来るのは岩であり礫であり
水中を漂う微粒子ではなく堤体のコンクリートを文字通り削り取るのです。

それらと戦うために選ばれたコンクリート
それらと戦うために選ばれた鋼製ゲート
ライニング材

それを今日、自分の目で見る事が出来るのです。

◆ ◆


トロッコ列車に乗り込んで宇奈月駅を出発。
雨がぱらついていましたがお客さん沢山の黒部峡谷鉄道。
関西電力様の専用車両に乗せて頂きました。

トロッコの中で資料写真などを見せて頂きお勉強していると・・・。


きたーっ!!

出し平ダム見えたーっ!!

放流してる〜

工事だからクレストから吐いてる〜


見えたぁぁぁ〜
工事してらっしゃる
出し平発電所の工事してらっしゃる
ご安全にーっ

トロッコの中で大騒ぎ。


そして駅にトロッコ列車が止まりました。

降りていいんだ
今日はこの駅で降りていいんだっ

感動と緊張で足元危ない。

そして降りる前にトロッコ内でヘルメット装着。
ホームから先はヘルメット装着が安全のために義務付けられているエリアです。


ホームから線路わきの道路に入ります。
出し平駅からダムは少し下流にあるのです。