ダムナイト9 その2


堰堤周辺を愛でた後、山を挟んで反対側へ。
下流にある大河原発電所にやってきました。
見落とされがちですがちゃんと対岸のビューポイント付近には説明板もあります。


大河原発電所と堰堤は100年前に京都電灯株式会社が建設しました。


京都駅のすぐ近くで風格ある建物で目立っている京都関電ビルディング。
元々、京都電灯本社ビルだったところです。
いつか中に入ってみたいなぁぁ。


という事で登録有形文化財他、いろいろ肩書がある大河原発電所です。
お仕事がんばってます。


お仕事がんばっている証拠は放水路から流れ出る水。
写真左の方でひっそりこっそり草陰に潜んでいるトンネルは
発電所上部水槽の余水路の出口です。


写真中央の現在は水が流れていない吐口は上部水槽排砂門です。
右側の新しいコンクリートで立っているのが制水門。


そして現場で石張りを覆うモルタルで色気満開なのが上部水槽余水路になります。


先ほど見てきた取水口からトンネルを通ってやってきた水が
すごい勢いで水圧鉄管の方に流れています。


かなり水量が多くない限り、上部水槽の欠瀉板を超えることはないのでしょう。
前回見に来た時は余水路に水が流れていましたが。


「京都府の近代化遺産-京都府近代化遺産(建造物等)総合調査報告書-」
に載っていた発電所の図です。


なんてセクシーな上部水槽の曲線♪
ここでも工夫が凝らされているように思います。

トンネルから来た水が真っ直ぐ水圧鉄管に向かうのでなく
水槽が曲がっているので壁にぶち当たります。
勢いはここでやはり少し殺されて最後の最後にも
砂が少しでも沈殿して水車に行かないようになっているように思えるのです。

そして水量が多い時に設備を守るために
十分な放流能力を有する余水吐が必要です。

上部水槽のから越水するときに流量を稼ぐべく
越流長を長くしようという目的で曲線にしていると思われます。

ホントにどこまで考え抜かれているのかと。
しかもすべてが美しいとか。
これぞダムの用・強・美。
いや、水槽だけど。

うっとりしてしまいます。

◆ ◆


大河原堰堤まで来たらこっちも会いに行かねばと
移動してきたのは相楽発電所取水堰堤。

関西電力様に特別に見学を申請しなくても
このくらいの距離での美しい顔は柵の外からいつでも撮れます。
ここまで来る道がちょっと躊躇すると思いますが。

この写真を撮りに行く数日前に
高山ダムクレスト全門によるフラッシュ放流が行われていたので
フラッシュ放流の痕跡残ったりしているのかなと心配していましたが
キラキラが増しているだけで砂かぶったりしていませんでした。
フラッシュ放流素晴らしいな♪


公式見学をお願いした日は丁度、上流の高山ダムが40m3/s吐いていて
この地点では90m3/sの流量でしたので
この溺堤も全部水没して見えなかったのですが
この日は水量が少なくてばっちり全容が見えました。

発電所側の水位が低くなるように造られているのがわかると思います。
このわずかな差が発電量に大きくかかわってくるんです・
ほんのちょっとに見えるけど落差は大事。


新緑のシーズンの朝一番にダムに行って
綺麗な水景を見て幸せな気持ちになれる贅沢♪


コンデジにフェンスの隙間から頑張ってもらっています。
監視カメラにはちゃんと頭を下げて御挨拶してます。


とにかく釣り人が施設に侵入して大変らしいので
大河原も相楽も監視カメラで発見されたら
電力会社の方でなく、いきなり現地の警察の方が
お越しになる仕組ですので。

くれぐれも、立入禁止を突破するような
管理者様に迷惑がかかる行為はやめましよう。