日本ダムアワード2023 その2

池原ダムの治水協力は近畿地方整備局からの発表に
ハイドログラフとハイエトグラフ付で公開されました。


 → 令和5年8月 台風7号に伴う大雨による近畿地方の河川の概要


池原ダムと風屋ダムの大活躍♪

と、追いかけていると
同じ電源開発様の風屋ダムのT2307のハイドロも気になる。

風屋はなんというか
芸術的なピークカットなので。
これ、ものすごく肝が据わっていないとできないカットなので。

しかし貯水容量で圧倒的な池原の
他のダムでは絶対に真似できない操作に感動。

しかし…
ものすごく見づらい。

というのはグラフエリアに文字情報が多すぎるのです。


貯水位を説明する文字だけでもこれはちょっと…。
でも、これが必要な理由もわかるので困ったなーと。


とりあえず分析はシンプルな川の防災情報も見やすいのですが
こっちはこっちでハイエトグラフがないとシンプルすぎる。


更に見やすいのは「川防見るやつ」かなと思います。
両方、ハイエトグラフがないけど。 

パッとみて、こんなおっそろしいハイドログラフをたたき出すなんて
計算しつくされているし、この台風、予測が容易で大した台風じゃなかったのかなと
斜に構えて見てしまう人もいるんじゃないかと思いますが
T2307(令和5年台風7号)はなかなかとんでもない台風でした。


この台風で被害が大きかったのは鳥取県です。


線状降水帯も発生し鳥取市佐治では15日の日降水量が515mmで観測史上1位の値を更新し
8月の平年値の約3倍の雨が1日で降り、「佐治川ダムで緊急放流に移行」のニュースも流れました。


紀伊半島のダムは洪水調節においても歴戦のダムぞろいで事前放流も行いました。

新宮川では水に浸かりやすい中流域の日足地区において河道整備の効果に加えて
池原ダム、風屋ダムの活躍で水位を3m以上低下させることに成功しています。

池原ダムの7470万m3の貯留というのはちょっと桁が大きすぎて
普通の感覚から乖離している数字だと思います。

ちなみに
徳山の全量貯留と、早明浦の(すっからかんになりそうになってからの)全量貯留は
更に次元の違う話になってくるので一緒にしないでください。
早明浦がすっからかんになりそうになってからの全量貯留は億単位で水貯めますので。


参考例。
「伝説の早明浦の0-100」と呼称されている2005年14号台風のハイドログラフです。
すっからかんになっていた早明浦ダムを一夜で満杯にした恐ろしい台風でした。

ちなみにT0514は流入量でいうと歴代1位ではありません。


流入量の歴代1位は竣工の翌年にやってきた昭和50年台風5号(T7505)で7240m3/sです。

  7240m3/sです。何 その 化け物じみた数字。

総流入量では昭和51年台風号(T7617)の流入総量は7億3000万m3です。
早明浦上流の長沢観測所で総雨量1868mm、流域平均で約1730mmというとんでもない雨が観測されました。

何もかもが桁違いの早明浦ダムは今、再開発で新たな装備を備えようとしています。
これ以上強くなってどうするんだ四国の命。
という突っ込みもあるかもしれませんが、それが必要になっているのが
今世紀になってからの超絶、荒っぽい気象なのです。

ダムニュースではその工事が始まったことについての紹介もありました。