旭ダムSBT 見学 その2


天端から見た貯水池です。
インクラインと艇庫が見えています。
風の影響なのか網場は上流に弧を描いていました。


堤体の直下はぎゅうっと狭まった谷です。
視界は開けていません。

ここで、ご説明をくださったのは同行してくださっていた
ダム工学会副会長。

「そこからSBTの吐口が見えますよ」

えっえっえっ どこどこ???

旭ダムは排砂バイパストンネルを装備したダムです。

Sediment Bypass Tunnel

ダムでよく用いられる堆砂という単語のせいでsandと勘違いされやすいのですが
堆積物を表すsedimentの「S」です。


教えて頂いてやっとわかりました。
ここです。
トンネルの吐口は下流側を向いているので
出口のコンクリートしか見えませんが
SBTが稼働しているときはここから水と砂が流れ出ていくのだそうです。


クレストゲート巻上機の横までやってきました。
洪水吐門扉。
日立造船様の作品。


天端から至近距離でラジアルゲートを眺められました。
塗装はもちろん黒です。
関電ブラックゲート♪


横からも見せて頂けました。
がばっとオーバーハングしているので真下は見えません。


割と華奢なゲートでアームにワイヤーが接続されて
巻き上げられるデザインです。


水深が深くないし水圧があまりかからないクレスト部ですから
このくらい華奢でも全然問題なし。


どんどん右岸に移動してきて下流側を見るのにわくわくが止まらない。


旭ダム右岸からっ♪

おおおおお
さすが左右非対称
何このぎゅっと迫った感
左岸から見たら天ヶ瀬っぽさのある翼を広げた感
右岸から見たら翼をぐっと下ろした川俣ダム感
全然顔つきが違う♪
すごいすごい♪


中央部でぐっと貯水池側にグラマラスに張り出している堤体ですが
アバットメントに近づくにつれて立っているのが解かりやすい。
ドームアーチっぽさ。
だから下流側の中央だけカビが生えない。


天端に戻ると途中、副ダムからの水の出方が可愛らしくて
やっぱり撮ってしまう。


これは選択取水のスクリーンです。
コンデジの限界でこういう時のために広角を狙える
スマホを練習してきてよかった。


隙間から取水スクリーンの内側をのぞいたところです。
スクリーンの目が細かいです。


こちらは酒井鉄工所様の作品でした。

堤体を見せて頂いた後に移動してきたのは
国内初、排砂バイパストンネル設備です。

※ 神戸市水道局、烏原貯水池立ヶ畑ダム(1905年)、
  布引五本松堰堤に増設(1908年)
  旧・武庫離宮・天皇の池(1917年))
  貯水池内への土砂流入抑制と水質を保つための設備としてトンネルを持っています。

  厳密にいうとこの三例が国内初。

  でも、その後、巨大な貯水池を有する堤高の高いダムが造られるようになって
  小さな貯水池を大切に大切に使おうという水道用ダムを除いて造られなくなっていました。


まずはダム上流に設置された吞口です。

ここには貯砂堰が設置されています。

ダムと貯水池をパスできるように上流に土砂の流入を止める堰を作り
トンネルで迂回させ、下流に土砂と水を移動させるものです。
 ・貯水池に土砂がたまって貯水容量が減ることを防ぐ
 ・貯水池は洪水の後の濁りが長引く特性があるため、洪水後に早期から
  下流に濁りのない水を届けることが可能になる
 ・ダム下流の河川環境の回復(砂礫の供給など)
という事で、堆砂に悩むダムならみんなほしいと思うこの設備。


スピンドル、ぴーん。

堰排砂ゲートでした。
活躍頻度は少なそうです。