雨畑ダム 見学 その3

雨畑ダム監視所に戻ってきました。
雨畑ダムは一般の見学を受け付けていません。
インターホンを押して突然見学させてくれと言われても対応はできません。
今回の見学もダム工学会の重鎮の方の推薦をもらって
水源池環境センターの皆様の視察に加わらせていただくという事で実現しています。
ダム管理者様に迷惑をかける行動は控えて頂きたいです。

こちらが雨畑ダム概要の説明板です。

貯水池の形はくねくねしていて、こういうダム湖が好きな人にはたまらない形状です。
こういうダム湖が良いなという人は治水を目的に持っているダム管理者様に多い印象。
真っすぐすぎる貯水池は集水域の面積にもよりますが、大雨の時に段波みたいに
水が堤体に向かってくるところもあると聞きますし。
雨畑ダムは堤体のすぐ横に取水口がなくて尾根を挟んで堤体から離れたところにあります。
ここから約3km下流の角瀬発電所に水が届きます。

こちらがダムの正面・・ええと、下流面だから背面図。
堤頂長は147.58mですが、アーチ部分だけだったら107.582m。
左岸の洪水吐がある場所はスラストブロック。
ここが40.0mあります。

うっすうすの堤体。
天端の幅は2mです。
NDLの文献でも感動していましたが
よくこんなスレンダーなアーチダムを設計されたな~と。
じーっと見ていると、なんと雨畑ダムの設計をしてくださったのは
建設技術研究所様なんだと教えて頂きました。
CTI。
いつもwDN中部近畿でお世話になっている建技様だったとは。
また別の文献を調べようと楽しみが増えるなど。

左岸からちらっと堤体が見えてきました。

ここでふわっと頭に浮かんだのは小渋ダムでした。
減勢工の水、全部抜いてみたイベントの時にキャットウォークで目にした小渋シルト。
堤体と右岸の保護コンクリートがとても白っぽく見えたのです。
小渋ダムではそれこそ、塗料を飛沫で浴び続けたのではというくらい
堤体がシルトでコーティングされていました。
雨畑ダムも堆砂が進行していて放流のたびに、シルト分の多い水飛沫が
この狭い谷に舞う事でコーティングされているのではないかと思ったのです。

じーっと目を凝らしていると、堤体直下の緑は綺麗だし
シルトコーティングではないようでした。

階段やはしごでつながっている観測機器設置場所の屋根が
とても不思議な景色を作っています。

洪水吐は前方に飛ばすようにフリップバケットになっていました。
なので放流していない時はこんな風に少しだけお水が溜まります。

昭和42年ですから1967年竣工。
もうすぐ還暦ですね。

洪水吐が乗っているスラストブロック部分は幅が広くなっています。
工事用車両も駐車できる十分なスペース。

ゲートの銘板見つけました。
呉造船所様の作品。
大きさはW8.000m×H8.900mが二門。

クレストゲートは割と華奢な印象です。
きびきび動きそうな感じ。

ゲートピアの目盛りは9mまでありました。
扉体の高さが8.9mですから全開にすると完全に上まで上がりそうです。

そしてもう一つのゲートを目にして変な声が出ました。
日本軽金属の方が、SRゲートです と、仰いました。
た、たしかに
山須原ダムの仮締切で4m級のを間近で見たし
見間違っていないと思うけど
なんでローラーゲートの上端にSRゲートがあるんですか?

SRゲート。
ゴム袋体支持式鋼製起伏ゲート。
ダブルチューブで扉体が安定するタイプ。

ローラーゲート自体は引き上げられることで扉体の下から水を出すアンダーフローですが
状況により、SRゲートを優先して使う場合はオーバーフローになるという魔改造。
最初からフラッシュボードを鋼製ゲートの一部として製造された扉体は
あちこちで見てきましたが、後付けでSRゲートというのは見たことも聞いたこともありません。
とにかく吃驚してしまって操作について詳しくお聞きできなかったのが悔やまれます。