小渋ダム減勢工特別見学会 その3


コンジットゲートもこの角度からはなかなか見られません。


2号コンジットゲートは点検で少し開いていました。ちらり。


今回の企画の主役。
水のない減勢池と水叩き。

竣工してから50年を超えています。
幾度となくコンジットゲートからの水を受けとめてきた減勢池です。
大量のシルトとともに落ちてくる水がコンクリートの表面をざらついた形状に変えていました。

そしてざらついた表面を覆うのはやはり小渋シルトでした。


中央のシルを境に副ダム側では水深が2、3cmありましたので
スニーカーではだめだと長靴に履き替えるために
佳様と二人で一度車に戻り再びやってきたりしました。

せっかく来ているのに副ダムの足元からダムを見ないでどうするのかと。


これは副ダムの水抜き穴です。
ポンプとホースが顔を出していました。


副ダムの足元から見るとこんな感じで堤体が見られるのです。


水叩き中央部のシルですが角には鋼材が貼り付けられていました。
常時水没しているので錆びており、ここに座ってお尻に真っ赤な錆が付き
笑われるなど。


右岸に陽が当たってとても眩しいです。
こうして小渋シルトコーティングが水を被っては乾き
被っては乾き、膜になって剥がれ落ちるというプロセスになるわけです。


右岸のアバットメントの下、減勢工を形成する壁の埋戻部の頂上。
小渋シルトでコーティングされてこんな風景になっています。


見上げると真っ白なアバットメントのコンクリート吹きつけとエレベーター。
真っ青な空の下白さが際立っています。


減勢地横から見た中央部のシル。
シルを挟んで堤体側と副ダム側でコンクリートの表面が違うように見えますが
副ダム側に水が薄く溜まっているためにそう見えるだけかもしれません。

ただ、シルの表面は上流側と下流側で全然違う肌になっていました。


一番端までやってきてわくわく副ダムの下流側のくるんと巻き上がった構造を見ます。


普段は副ダムの下にも水がたまっていますが
綺麗にポンプで抜水されています。

更に下流で左岸側から勢いよく出ている水は
小渋ダム左岸側にある長野県企業局の小渋第一発電所からの放水です。


小渋第一発電所の銘板。


副ダム下流のシルです。
これで堰上げされていてある程度の水位を確保していると思われます。


当日あちこちで展示してあった平面図で見ると
水叩き中央のシルと、くるんと裾を翻す副ダムと
その下流にもう一つシルがあるのが分かります。


という事で水没している部分で水流を上に向けて
流れてくる水の勢いにぶつけて減勢するという設計で
設けられたアップターンドバケットであると思います。