令和2年 黒部ダム 見学 その2


黒部の雄大な姿を見て写真に撮りたいなら迷わず右。
220段の階段で展望台まで行くコース。

でも今日の自分は一直線にダム天端を目指します。
下り60段の階段へ。


本日は快晴。
バツ印は一つもありません。
全部の施設がゴーサイン。


いそいそ天端へ向かう途中ではっと目を引いたのがこの写真です。


これはっ!!!

あの1969年の黒部ダム初、クレスト越流の記録写真っ!!!


10門のゲートレスクレスト。
越流部の両端からは水が出ていません。

ダム設計に携わられた方の随想録を拝見したことがありますが
「真中の二門から越流が始まり、順に両側に広がっていったはず」
と記されていました。
まさにその通りであったのだろうと思わせる写真です。

1969年、立山、黒部川というと、砂防を勉強している人ならパッと頭に浮かぶのが
昭和44年災
です。


1969年(昭和44年)に立山砂防の水谷出張所の敷地の半分が崩落した
北陸電力の王者・有峰ダムが唯一クレストゲートから放流した
常願寺川で大変な被害が出た災害です。

この豪雨の時に黒部ダムはどうなっていたかというと…
2014年の2月に帝都で行われた土木 a la modeで黒部VS宮ヶ瀬企画の際に
発表されたスライド写真で紹介しますと…。


全部のゲートから物凄い越流でした。
美しい初越流の時とは全然違う顔です。
迫力ありすぎて怖い出水時写真。


クレスト越流写真でかなり時間をとられてしまったので我にかえって大慌て。
ガルべの本日最終出航時間までそんなに余裕があるわけじゃないので
慌てなくてはならないのに…


ああああ。
以前来た時にはピンボケで綺麗に撮れていなかった
黒部ダム1/186スケール模型。

1/186!!

ここ重要!!


60段の階段を下りてきました。


トンネル出口の向こうに黒部ダムの銘碑が。


出てきたところで振り返るとダム湖百選のプレートがこんなところにありました。

やっぱり扇沢からのルートはほんとに早い。
あっという間にダムに着く。


左岸の遊覧船乗り場に向かう前にここへ。
手を合わせてから天端に向かいます。


貯水池、黒部湖についての説明板です。
観光放水についての記載もあります。


こちらは黒部川第四発電所についての説明板です。

最大使用水量 72m3/s
有効落差 545.5m
縦軸単輪ペルトン水車 

最大出力 33万5000kW

単語と数字見ているだけで萌えが止まらない。
素敵ー 素敵ー 黒部素敵ー♪


天端から振り返ると220段の階段を上がってたどり着く展望台がみえています。
あそこから見ると素敵な景色なのは知っていますが今日はいかない。


レストハウスの背後に建設時のクレーン走行路の遺構。
青空の下、コンクリート美をふり撒きまくってくれています。


いかんいかん急がなくては。
堤頂長は492.0m。
左岸まで移動しなくてはっ。


これは2013年に会いに行った時にこの場所にあった標識。
「本日の水深 161m」と表記されていて
どこを示している数字なのか
ELでもないしどこが基準なのかと
一瞬頭がフリーズしましたが何と基準が堤高だったりします。

観光客の方向けに試行錯誤されたんだろうけど
普通のELか利用水深の方が混乱がないのでは…と思っていました。

ちなみに今回は撤去されてなくなっていましたので
50周年記念の一時的な展示物だったのかなぁと。


天端をてくてくしていて水音が耳に着いていたので貯水池を覗き込むと
パシャパシャ水が出ているところを発見。


かなりの勢いで貯水池に流入していました。
位置から考えるにこれは関電トンネルからのお水ですね。
無駄なくきちんと貯水池に誘導されているのかと思います。


上段のハウエルバンガーバルブから豪快に水が出ています。
物凄い量が出ているように見えますがそれはハウエルバンガーバルブのマジック。

そしてこの放水は
黒部ダム建設時に当時の厚生省(!)から出された条件でした。

登山者のためにダム下流の景勝地、黒部峡谷の十字峡と下の廊下に
水を流すこと、最大流量は15.0m3/sという約束が交わされているのだそうです。


一番新しい新展望広場・レインボーテラスが見えています。

ここもまだ行ったことないけど今日は諦めます。
また次回に持ち越しです。
ふぉっとダム、まだ未体験。

心残りたくさん作って何度でも来たい黒部ダム。