高岡輪中堤 その2


被害調査報告会のスライドで見た写真では
この排水機場も鮒田水門も道路も何もかも
この視界にある多くの物は水没していました。

左岸側に戻って上流にある輪中堤を目指します。


左岸側の道路を少し進むとコンクリートの堤防のようなものが現われました。
ここが高岡輪中堤になります。


輪中堤の堤内地を通り抜ける道路には陸閘が設けられています。


灰色のコンクリートの上に白いコンクリートが継ぎ足されています。
水害の後、高岡輪中堤は1.2m嵩上げされました。


水位標の一番下の目盛りは6.0mです。


堤内地に入りました。


高岡第1陸閘の文字です。


ここの陸閘は相野谷川の水位が上昇することが予想された時に
横に引く形の鋼製ゲートが閉まって水の流入を防ぐ仕組みです。
トリッキーな動きをする陸閘ではありません。


平成16年から17年にかけて造られたもののようです。
紀伊半島大水害が起きたのは平成23年(2011年)です。


陸閘の横には輪中堤を上り下りして行き来ができるように
階段が設けられています。


山側の整地されたところに登ってみました。
陸閘のある部分は上下流に緩い勾配が付いた堤になっており
断面はアースダムと同じ形。
多くの堤防と同じ台形です。


堤に設けられた階段を上ってみます。


格納されている陸閘を覗いたところです。
写真の奥で整地されたところから先ほどこちらを見ていました。


完全に水が引いていない時には陸閘が開けられないので
徒歩で往来出来るように階段が設けられているのだろうと思います。


堤から下流方向を見たところです。
水田が広がっていました。


堤内地には細い川も流れていました。
これは排水ポンプです。
相野谷川の水位が上昇した時に逆流してこないように
水を送り出すための物でしょう。


堤の角にやってきました。
ここで堤の構造が変わります。


陸閘のある断面が台形の堤と違って
川に面した部分は厚めのコンクリート壁になっています。

大水害の前に設けられていたのは
強化ガラスがはめ込まれて堤内地から堤に登らなくても
川の水位が見られる構造であったそうですが
再建された堤にはその構造はなくなっていました。