八丁原地熱発電所 見学 その3

二つのビデオを見た後
団体さんが到着するまで少しお待ちくださいと言われたので
その間にパネルを撮影させていただきました。


八丁原発電所の概要です。

他のお客さんがいるから展示館の照明を落としてもらうわけにもいかず
天井灯の写り込みがひどく写真が悪すぎるので
地熱発電について知りたい方は
九州電力大分支店 地熱発電のしくみ のページ
をご覧ください。


地熱発電の仕組みを説明したパネルです。

地熱発電ってほんとに難しい発電方法なのです。

TVのニュースなどでは東日本大震災の後
太陽光発電や風力発電が到底ベース供給もミドル供給も担う事が出来ない
不安定な発電方法であるにも関わらず、再生可能エネルギーだという事で
注目されていますが、その中には地熱をもっと開発すればいいんだとかいう
自称学識者の方がいたりして、とほほな気持ちで見ていました。

つーか
再生可能エネルギーの代表ってどう考えても水力発電だろーがっ!!

エネルギー変換効率8割超
CO2排出なし
燃料代ただで
折り紙つきの大出力が可能な水力発電をなぜマスコミは取り上げないのか

恣意的な悪意を感じる

地熱が水力発電と同じくらい発電できていたら
電力会社の方が目をつけないはずがない!!
という当たり前のことは思いつかないのでしょう。

そして地熱をもっと開発すればいいという自称学識者の方が言うのに
温泉組合が反対しているからだとか
適地が国立公園などの中にあって開発が困難だからだとか
色々な理由を述べられていますが
ちゃんと勉強してからメディア発信しているのかなと
聞いていて不安になります。


温泉が出るところは日本各地にありますが
「温泉が出るから地熱発電ができる」なんて簡単なものではありません。

地熱発電に使用する熱水。
それは地下のマグマ溜りの上にあり
なおかつ、帽岩(キャップロック)という水を通さない層があることが条件です。

この地質条件を満たしていないと超高温の熱水が留まることはできません。


熱水貯留層の水温は250℃±。
これだけ熱されて圧力の上がった水を安全に地表に導くだけでも大変なことです。
しかも蒸気でタービンを回した後、冷やした水をもう一度、熱水貯留層に戻し
循環させる仕組みにしなくてはなりません。

地面の中がどうなっているかはボーリングしないとわかりませんし
どこにでも気軽にホイホイ作れるようなものではないのです。


日本の地熱発電所一覧表がありました♪

電力会社や企業が持っている地熱発電所のほかに自家用という物があります。

この自家用地熱発電がニュースでよく取り上げられるようになり
もしかしたらうちでももできるんじゃないかー
なんて夢が膨らんでしまったところももしかしたらあるのではないかと。

地熱発電は地面の下に適地がないとできませんが
メンテナンスがすごく大変だという事も忘れてはいけません。


展示会内に実物展示。
この石灰のような物が内径にがちがちについたパイプ。

熱水は色々な成分を含んでいます。
なので取り出すパイプにはこんな風に溶解している成分が沈着していくのです。

こうしてどんどん内径が狭くなっていくと
必要な熱水をくみ上げることはできなくなり
発電ができなくなります。

従って使用するパイプは定期的にフラッシングして清掃しなくてはなりません。
250℃±にまで熱された高圧の水の貯留しているところに到達しているパイプを
フラッシングするというのは大変な技術が要ります。

自家用で設置してもメンテナンスは必ず専門技術を持った会社が行わないと
えらいことになるわけですから気楽に作れるものではありません。


ふむふむとパネルを見て勉強してると
突然、すごい人数が展示館に。
100人近い中学生と同伴者が来ていた!!

地元の中学生なのか制服もバラバラでしたが
夏休みだというのに社会見学ですかっ!!

展示館のキャパシティいっぱい。

地熱発電どこまで大人気っ!!