若松鉱山 周辺施設 その4


道路側のホッパー部分の上に回りました。
板の外れたところから外が見えています。


ホッパー側の壁には素敵な窓が幾つもありました。
藤が伸びてきて所々で紫の花をつけています。
花の蜜を求めて集まってきた熊蜂もぶんぶん飛んでいます。


建物の真中の巻き上げ機と枕木とレール。
鉱車が走っていたと思うのです。
この巻き上げ機の背後に架空索道があって
鉱山からの鉱石をここにおろして
その鉱石を鉱車に積んだのじゃないかと思うのです。

でもやっぱり、はっきりしません。


ホッパー部分の横に下りていくはしごは一寸怖くて
使う気になれませんでした。


傾いだ床。
古い建物です。
頑張っていた頃はどんなに活気があったことでしょう。
国内一のクロム鉱山だったのですから。


真下から見上げると巻き上げ機のあった場所は遠いです。
あの一番上の窓の奥にレールが残っています。

下の大屋根の部分が貯鉱庫と思われます。
ここにトラックがたくさん行き来していた時代は
終わってしまいました。

今は小鳥の囀りばかりが聞こえるこの場所で
静かに朽ちていく建物が斜面に建てられた
木造建造物の運命の多くがそうであるように
少しずつ容積を減らし、大雨のたびに崩れ
いつか斜面に堆積して地表を覆ってしまいます。

でももう少し頑張ってくれそうですよね。

そんな気持ちになった場所でした。