中竜鉱山跡〜 面草鉱滓堆積ダム 見学 その10

無理を言って映写室の方も見せていただきました。

初めて間近で見る映写機です。
ぱっと見た瞬間に昔、大阪の四ツ橋にあった
電気科学館のプラネタリウムを思い出しました。
武骨なマットブラックの機体が意味なくカッコいいです。

複雑な機械の中では陽極と陰極をスパークさせて強い光を発生させるのだとか。
案内してくださった方は技術職の方で鉱山の中だけでなく
これを操作していたこともあるとのことでした。

稼働していた頃の中竜鉱山の映像です。
昭和40年代の映像です。

今はなくなってしまった選鉱場。
坑内からベルトコンベアで上げられてきた鉱石を空け場で下しているところ。

ハイドロコーンクラッシャーで砕かれた鉱石はロッドミル、ボールミルのある隣の建物へ。

微粒になった鉱石は浮遊選鉱でどんどん純度があげられていきます。

在りし日の中竜鉱山選鉱場、全景。
映写室でカメラを見て
ホール正面のスクリーンが降りてくる壇上を見て
ここでもう一度何かを映すなら
それは中竜鉱山の歴史を知ることができる映像であってほしいと思いました。

ここで映画を見たという方にも現地で会いました。
人がいれば
鉱山が続いていれば
ここは豊かな暮らしを送ることができる街でした。
「こんな立派な資料館を作ってくださっていたなんて・・・
ここはいずれ一般公開される予定はあるんですか?」
「いえ、資料をとにかくしっかり残しておこうと思ってやりましたが
運用についてはまだ何も決まっていないんですよ」
「これだけ事業者が私費でやっているのに・・やっぱり財政難ですか」
「ええ、毎日人が来るわけでもないでしょうから」
「そうですね。来られる人がいないのに人を置いて
光熱費なんかを考えるとやっぱり厳しいですね」
「ここを見たいという人が事前に連絡をくだされば
私たちがいるときはこうして見せて差し上げられますけどね」
貴重な鉱山資料。
それを残そうとしてくれる人がいたこと
残してくれたこと
それがどれだけ大変で
それがどれだけ貴重なことか
各地で撤去された鉱山施設
何も残されずに更地になってしまった鉱山施設もありました。
でも建物の面影をとどめている場所もまだあります。
中竜鉱山は選鉱場の土台が残されました。
あのパイプラインはもうなくても土台のコンクリートは残っています。

半年前にはまだここにアドベンチャーランド中竜のマイン号が何台も停車していました。
そこにぽつんと置かれた重機のアームの先につけるアタッチメント。
今年度中には社宅もすべて撤去されるそうです。
中竜鉱山の残照はどんどん薄まって行きます。
その記憶は建物の中に保管され
その思い出はここを訪れた人の中に保管され
そのいずれもが消えていかないことをただ祈って
私は通いなれたこの場所を後にしました。
また、来るからね