宇多良炭鉱見学 その6

木漏れ日の中、煉瓦支柱の下には石炭のかけらがたくさんあります。
この場所は川からすぐの場所です。
貯炭場があったのでしょう。
坑道はもっと山の上の方なのだと思います。
そこからトロッコで運んできた石炭を川辺のこの場所で船に積み込んだと思われます。

トロッコ台車などの残骸は見つけられません。
レールも探しましたが見つけられません。

森林資源の豊かな南国の島。
植物が隆盛を極めています。

この場所で鉄製のものは容易に酸化して自然に帰っていくでしょう。
トロッコの台車の車輪もレールも、もしかしたら足元に在るのかもしれません。
でも私の目にはそれとわかる形でない為に見つけられないだけなのかもしれません。
いきなり大きな羽音がしました。
鳥かと思って見上げると巨大な蝙蝠が頭の上をばっさばっさと旋回していました。
昼間に飛ぶ蝙蝠。特産のヤエヤマオオコウモリだったのだと思います。
大きさは開長80cm以上に見えました。昼間に飛ぶなら超音波いらんのでは?

観光地として整備が始まったのはいつの頃からなのでしょう。
西表島に到着してからあちこちで見たエコツーリズムの本。
日本エコツーリズム協会によると定義はこうです。
『自然・歴史・文化など地域固有の資源を生かした観光を成立させること』
『観光によってそれらの資源が損なわれることがないよう、適切な管理に基づく保護・保全をはかること』
神子畑選鉱場について調べている時に何度も出合ったこの言葉。
エコツーリズム
産業遺構の保存を支えてくれるムーブメントになるのかと
半信半疑で目にしていたこの言葉。
すでに浸食された遺構はその対象ですか
すでに荒らされた遺構はその対象ですか
管理者が手放さない場所はその対象にはなりませんか
安全が確保されない場所はその対象にはなりませんか
地元のガイドブックに載り
観光客が容易にアプローチできるように整備された事
エコツーリズムの対象となったという事は
安全が確保されたということ。
ただ、この場所が示す安全とは
もう崩れない
崩れるものも無い
ハブなどの動物による危険は別として
もうこれ以上は崩れないからという安全でした。
自然に帰りつつある遺構には
柵ひとつありません。
遺構に直に寄り添う事もとがめる文言すらありません。
形が明確なうちに産業遺構として残る事はどれだけ難しい事なのかと
各地を訪れるたびに思う事がまたここでも頭の中に一杯になりました。