内離島 見学 その9
一通り見学を終えて桟橋前のお店に戻ってきました。

観光ツアーというものがどういうものかさっぱり判っていない私は
現地でお昼ご飯が出るなんて考えも及ばず、見学の後に案内されたお店で
ご飯が用意されていた事に吃驚してしまいました。(経験値低すぎ...)
お魚がとっても美味しかった上にソーキ味噌というものをはじめて食べて美味しさに感動しました。
各家庭の味があるとか。ウミブドウもぷちぷちがたまらないし沖縄料理って美味しいもの多すぎます。
いつもの調子で凄い勢いでごはんを食べ終えました。
お店に入ってすぐの所に本棚があるのを見つけていたからです。
そこに1986年に作られた『西表炭鉱写真集』という本を見つけました!
昨日、宇多良炭鉱で正体不明だった船のエンジンらしきものが
やはり鉱石を運搬していた船の焼玉エンジンであるという事がこの写真集で判明。
お店の方にこの本が欲しいとねだります。
購入できないならコピーさせて欲しいと更に食い下がっておりましたら
そばにいた、観光船を運転しておられた方がこの本を入手できるお店を教えてくださいました。
最近になって再版されたというのです。
どこで買えるのかと聞くと、即日私が行った西表炭鉱の入り口近くの御土産屋さんで売っているというのです。
なんだか詳しそうな方だなぁ。
炭鉱の産業遺構としての保存について聞いてみようかなぁ。
この集落に残っている炭鉱の資料館についてお聞きします。
なんと
今、目の前にいらっしゃる方のお父様が地元の公民館を利用して展示物を揃え、公開しているということだったのです。
旧軍が西表島の船浮や内離島、外離島に造った要塞など軍の遺構
炭鉱の遺構が放置され崩れるに任せられている事、保存状態が良くない事から
地元の船浮公民館を利用して資料館を作られたそうです。

これが船浮集落の炭鉱資料館です。
元々は公民館だった建物という事でとても小さいです。

入ってすぐの所にかけられているメッセージ。
私が欲しがっていた写真集は
当時の事を知る人がどんどん高齢化して
いなくなってしまうことで歴史を伝える人が居なくなることを危惧して
独自で取材を進めた琉球新報社専務取締役の三木健氏が作られたものです。
その方と志を共にした船浮集落の池田豊吉氏が資料を集めてここに展示されたのです。

じっくり見たかったのですが殆ど自由時間が無いので展示資料を見るだけで精一杯。
西表炭鉱というのは
西表島にたくさん在った炭鉱の総称。
船浮湾を囲むようにたくさんの小規模炭鉱があり
明治の頃から開発され
大正時代に全盛期を向かえ
昭和の戦時下には採鉱が抗夫の徴兵で困難になり
その後は衰退の一途をたどったという炭鉱です。
どこを掘っても石炭が出たという内離島。
当時すでに九州の大炭鉱ではすでに大規模機械が導入され始めていたというのに
ここでは手彫りで採掘が進められていたせいで、遺構は小さなものばかりです。

白浜港に戻った後、宇多良炭鉱入り口に近いお店で紹介していただいた本を発見しました。
『沖縄・西表炭鉱史』 三木 健 著 日本経済評論社 発行
『西表炭鉱写真集』 三木 健 編著 ニライ社 発行
中々来る事はできないけれど、何故か帰ってからも島の風景が目に残っている西表島。
今度来る時はお天気に恵まれていて欲しい物だと雨の海を見ながら西表島の二日目は終わりました。
沖縄から500km。
本土より台湾の方が近いという国境の島。
車よりも船が活躍する島。
最果ての島の小さな集落。
昔、この島に炭鉱があったこと
1000人以上の人が働いていたこと
それを思い出させる遺構は緑に埋もれ、姿を見る事も困難になっています。
保存と観光と集客力とエコツーリズム。
ここはもう自然に帰る一歩手前まで来ています。
午前中にこのツアーを楽しみ、帰り道に宇多良炭鉱によると一日で回る事もできるかと思います。
西表は美しい自然が残るとても素敵な島です。
珊瑚礁とマリンスポーツ。
沖縄とも石垣島とも空気が全く違います。
半世紀前にこんな産業があったことを見聞きする為にも訪れて欲しい歴史のある島でした。