番外編 寺田紡績株式会社 その3

かなり頭の中がヴェンダースのモードになってしまって酩酊状態です。
見るものが片端からベルリンに見えはじめました。危険です。
こういうモードになってしまうと正確な情報が取れなくなってしまいます。


煉瓦壁の鉄の窓が開いて中に電灯が見えています。
それでもどこかに質素なコートを着て髪を後ろで束ねた天使が
隠れているような気がしてきました。


河口と反対側の敷地には倉庫と思しき大きな建物があります。
ここにも鉄の格子と鉄の窓がついています。

一面に蔦のデコレーションがありました。。
夏に見れば緑の壁。秋に見れば炎の壁である事でしょう。


そして今は縛められた壁です。


津田川の堤防を上ると雲間から夕日が照らしつけてきました。
絶対あの辺りに天使がいる....。
完全に頭が壊れてしまいました。


飾りのついた丸窓もそこから飛び立つ鳩も
今の私の頭の中ではすっかり”壁”のあった頃のベルリンの
映像に重なってしまいます。

突然訪れた為に施設の概要や建物の名称と規模など
データは揃いませんでしたが冬の夕暮れに恐ろしいほど
酔わせてくれた建物でした。

事前にきちんと申し込みをすれば見学もさせて頂けるかと思います。


空中ブランコ乗りに憧れる少女に恋した天使が
屋根の上に居そうな夕暮れの津田川河口でした。