番外編 寺田紡績株式会社 その2
煉瓦沿いに進むとトマソンな門がありました。
鼠木戸も設けられた立派な入口ですが今は
コンクリート壁でばっちり封鎖され無用門状態です。
寺田紡績(テラボウ)は明治45年創業の地元の老舗。
建物も産業遺構登録がされてしかるべき規模と大きさですが
まだ現役で使われているのでなんとも....。
同じく地元の煉瓦製造で有名な岸和田煉瓦製造(キシレン)
の煉瓦がここで使われているのだと思って聞いたのですが
多分そうだと思います..と控え目なお答えでした。
川縁をずーーっと回り込んで河口の方にきました。
建物の端っこに当たる場所に公園がありました。
敷地で一番高い煉瓦造りの楼閣が見えます。
カメラを向けた時に突然いっぱいの鳩が飛び立ちました。
( う ?? )
( あれ?? どこかでこんな絵を見たぞ )
なにやらグリザイユのような色の中に記憶が断片的によぎります。
以前こんな絵を見た事が...絶対ある...
この空と煉瓦。
喧騒から切り離された冬の路地。
屋根の上の電線の中継点が十字架...。
あ!ヴェンダース!
ベルリン!
天使!
「ベルリン・天使の詩」の映画のシーンがフラッシュバックしていたのでした。