川の向こうに 13


川に面した窓に近づきます。
足元には割れたガラスが散らばっています。

そして窓の外に鉄格子。
侵入者防止の為なのか
峡谷の上流の降雨による濁流が流木を建物に叩きつけ
ガラスを割る事がない様にとつけられたものか
判別は出来ませんでした。


机の上に湿気を含んだ冊子。
“昭和31年12月”と文字の残る帳簿。

少なくともその頃にはまだここは現役だったのです。


別の窓を見ると半分落ちかかった鉄板。
とめていた螺子も釘ももうどこに行ってしまったのか解りません。


『制水手動輪の取扱上の注意』


そして暗い中に黒板がありました。
この発電所を所有する会社の管理人が点検に来た時に
機械と設備、建物の状況を箇条書きで書き残しているものでした。

56/4/9異常なし
5/7異常なし
6/24異常なし
7/13異常なし

8/9鍵破壊
9/7扉開放されて
いる
施錠の事

昭和56年の事なのでしょうか。
1956年であれば昭和31年と書かれていた帳簿と年が合います。
チョークはここにもう無いので最近の物ではないと思うのですが
ここが閉鎖された時期をこれだけでは特定できません。

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