川の向こうに 4
鉱山への電気を作っていた発電所。
鉱山のすぐ横にある場合もありますが
ここは遠く離れていました。

職員の方が寝泊りしていた、あるいは休憩する時に使っていたお部屋がありました。

風で撒き散らされてしまった伝票や書類。
荒れてしまったかつての職場を訪れる時
職員の方の胸に去来するものは何なのでしょう。
いくつもの鉱山跡でかつて働いていた方の声を聴きました。
更地になってしまったほうが気持ちが楽だと
まだ使えるから補修して欲しいと
その方によって捕らえ方も様々です。

人為的に荒らされていないことだけが救いでした。

ここに人がいた気配はこんなにも薄れてしまったのに
ここにはちゃんと鉱山の関係者が定期的に見回りに来ています。
会社の建物に対する会社の責務だからです。
その人たちがここに来る時に
苦しい気持ちになっていないことを思うばかりです。

山の上に走る送電鉄塔。
天空にそびえる鉄塔を見て
目の前の発電所を見て
時間の経過を強く感じました。
川の向こうで
時折訪れる管理者の来訪だけを
静かに受け入れてたたずんでいる第一発電所でした。