川の向こうに 1

 

石灰岩の豊富な地域に鉱山がありました。
その近くに流れる川に鉱山が設置した発電所がありました。

自社で水力発電所を建てるということは特に変わった事では在りません。

ただ、この鉱区は閉山してしまいました。
発電所もそれに伴い働くのをやめました。

 

そんな発電所のひとつを『草の庵』のフジツー様がお知らせくださったので
初秋の晴れた朝に出かけてきました。
 

カラスアゲハが羽を休めている静かな山道。
よく晴れた空の下、自動車も通らない人の姿も見ない県道です。

アスファルトの道からは見えない細い砂利道を川に向かって入っていくと
発電所の赤い屋根が見えました。第一発電所です。

澄んだ水ですが川の流れは思いのほか強そうでした。
 

そして建物はくすんだ色になって建っていました。
トタンの端は弱って曲がっていますが
壊れているより古びているだけという印象です。
 

そして川と反対側はすぐ山の斜面。
石垣の間に走る水圧鉄管。
山から流れてくる土砂で沢筋のようになって埋没していました。 

山と川の間に造られた小さなスペースに発電所は作られていました。

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