旧・志津川発電所 見学 その4

「志津川発電所の遺構でしたらこの上に登って行けば見られますよ」
「水圧鉄管の土台とかあるんですか」
「この発電所に水を送る前に貯めていた上池というか沈砂池があります」
「♪」
「この上流、3.5km位の場所に大峯堰堤という取水堰堤があったんです。
喜撰山ダムに行く橋の少し下流ですね。
そこからトンネルでこの上の沈砂池まで導水して発電所に水を送っていたそうですよ」
「おぉ。それは是非とも見に行かなくては」
「まだ大丈夫とは思いますが蛇が出ますので・・・」
「蛇、平気です(マムシ対応仕様のブーツを指さす)」
「お気をつけて(笑)」

発電所建屋を一通り見学させて頂いた後にお礼を述べて
教えていただいた山道を登っていきます。


こんな坂道を登っていきます。
どこからともなく降ってくる山桜の花びらが綺麗でした。

写真では緩やかに見えますが割と勾配きついです。


少し進んだだけで出てきました。
水圧鉄管を固定していたコンクリート製の土台です。


道の下、谷になった場所にたくさん並んでいます。
一つ一つが凄くでっかいです。


水圧鉄管自体は撤去されているのでトンネル状態になっている物と
元々土台だけであったものの2種類。


谷に下りて藪をかき分けて進んでいくと
こんなに素敵な遺構が!!

志津川発電所は大正時代に造られた発電所です。
このコンクリートも大正期の物でしょうか。
さすがにそれはないかも。
コンクリートはまだ高かったはず。

年代は不明ですがとにかく苔生しっぷりが素晴らしいです。


トンネルに落ちる人がいたら大変なので入口を鉄柵でふさいであります。
傾斜がかなりあるので近づくのは危険です。
遠目に見るだけ。


そんな危ない場所に近づかなくても比較的平らな広い場所にこんな凄い3連トンネルがあります。
水圧鉄管が3条並んでいた時は壮観だったでしょうね。
関西初の大出力水力発電所として造られた志津川発電所です。


トンネルになった部分を除くとこんな感じです。
鉄管を取り除く時に剥離したのか、表面が落ちている部分があります。


吃驚するほど粒が粗いです。

これは山口川調整地のパンフレットにも書いてあった
ラブルコンクリートという奴なんじゃないか?
山口川調整池は1932年築堤・・・

粗石コンクリート造りという事はやっぱりこれ
大正期のコンクリートかも・・・1920年代の物かも

色々妄想が出てきますが確定はできません。
改修工事とかあったかもしれませんし。