清流の発電所跡 その1

明治時代から国内では水力発電が行われるようになってきました。
辺鄙な山奥でも鉱山がある村落などでは
鉱山が設置した水力発電所の恩恵を受け
都市部でもまだ普及率が低かった電気が供給されている事もありました。

川があれば水を堰き止めて取水して水力発電が出来る。

各地で水力発電に電力会社が設立され
国内に電気が普及し始めた明治から大正時代。
今も昔もきっと静かなままであろう
この清流にも発電所が建設されました。

この発電所の遺構についての情報は殆ど無く
地元の人に聞かなければたどり着けないと言う事でした。
名前もわからず場所もわからない。
はっきりしたのは川の名前だけ。

実際、何度も行き来している道の横にあったのですが
教えてもらうまでまったく気づきませんでした。

何故かというと完全に杉林の中に隠れてしまっているからなのでした。


件の発電所がある川の上流にあるダムに見学に行きました。
管理所の方に下流にある発電所の遺構をご存知でしょうかと訪ねましたら
とても親切に行き方と場所を教えてくださいました。


そして教えてもらった場所に到着です。
ダムに行く時に取水堰があるなと目を付けて周囲を探していた場所でした。
遺構の真ん前に来ていたのに見つけられなかったということになります。


これだけ鬱蒼と杉が茂ったらそりゃ見つけられません。
遺構の横まで来ているのに見つけられないという間抜けっぷりは
今まで鉱山施設で何度もやっていますが久々に鼻が利かなかったと
ちょっと悔しい気もします。

発電所の遺構に行くには川を渡らなくてはなりません。
そして藪をこいで行かなくてはなりません。


まずは川を渡ります。お水が冷たい〜。


勇気を持って堰の上をぴょんぴょん飛んで行きます。
滑って川落ちしたら恥です。


右岸に来るとこの発電所で昔使われていたであろう
スルースゲートの付いた取水口がありました。
現在はコンクリートブロックで塞がれてしまっています。