大久野島 見学 その1

「地図から消えた島」の名称で世に知られている
広島県竹原市忠海町の大久野島。

旧軍の毒ガス生産・貯蔵施設があったという島です。
終戦後、連合軍がこの島で器材を全て焼き払い建物だけが
残っていると耳にしました。

行ける日があったら行こうと思いつつ奈良から広島は
やはり遠いのでいつになることやらとのんびり考えていました。

  ◆ ◆ ◆

そんな時に職場で以前居た部署の後輩と休みに会うことになり
後輩はどこかに行きたいと言い出しました。

 1 牛で腹一杯コース
 2 ウサギまみれコース
 3 ダムでホワイトアウトコース
以上の三点から行きたいコースを選べ!

後輩にこのように言いましたところ
「ダムでホワイトアウトは勘弁して欲しいっす。
 牛で腹一杯がいいっす。」との返事。

テールシチューが絶品の、牛を食す店を確認しましたら定休日でした。

「悪いのぉ。ダムと牛は消えた。ウサギしか無理じゃ。」
「ウサギっすか??。それでもいいっす。」
「山陽道で行くからその間の君の任務はわしが居眠りしたら起こす事じゃ。」
「頑張るっす。」

そして突然、大久野島に行く事になりました。


ここは忠海町の忠海港です。
雲の切れ目からチンダル現象でライトアップされているのが
大久野島です。島の中央の大鉄塔がわかります。


人の通りはあるけれど賑わいはあまり見られない忠海港。
桟橋のこの船で大久野島に向かいます。

「先輩〜。どうして離島に行くんですかぁ?」
「いや、この島はウサギ島なのだ。ウサギまみれ放題だと話に聞いている」
「六甲山くらいかと思ってたのに...。どんどん走るし吃驚したっす。」
「おぉ!そうだニンジンを大量に入手しなくては!」

忠海港から近いスーパーマーケットで生育不良のニンジンの
サービスパックを2袋買い込み、船に乗り込みます。


数分で大久野島の桟橋に到着です。
船の中には私達の他に熟年夫婦が一組。
桟橋まで迎えにきていた国民宿舎のマイクロバスが
その御夫婦を乗せて去っていきました。

「よし。ウサギはあっちだがわしらはこっちに行く。」
「こっちに行くと何があるんすか?」
「旧軍の遺構じゃ。」
「なんかよく判りませんが行きましょー。」


大久野島は一周4km弱の島です。
島内には旧軍の遺構がたくさん残っているそうです。
島の中央にあるのは送電用の大鉄塔です。

技能者養成所跡
南部砲台跡
発電所跡
火薬庫跡
中部砲台跡
北部砲台跡
長浦貯蔵庫跡
焼却炉煙道口
毒ガス貯蔵庫跡
検査工室跡

痕跡しかないものから建物がどーんと残っているものまで様々です。


一番のお目当ては島内で一番大きな建物・発電所跡です。
桟橋から歩いて数分で到着しました。