安来製鋼所奥津分工場跡  その3


このクラックが一年にどのくらいのスピードで進んでいるのかは不明ですが
このまま放置すれば間違いなく舞鶴のホフマン式輪窯の二の舞です。


つる草だったら良いんですけど木が中から生えています。
これはもう時間の問題かな。
枝が飛び出しているところから先は...
ある日、突然、バキッと落ちて来る予感です。


ズームするとクラックの強烈さが際立ちます。
綺麗な八角形煙突なのに惜しいですね〜。


ここに精鋼所があったなんて今ではわかりません。
この立派な煙突がなんなのか地元の人もあまり知りません。
認知度の低いゆえに壊れる速度が速い産業遺構です。


保存はきっとされないように思います。
観光資源としては活用が難しいでしょう。

でもここに安芸鋼の工場が在ったことを伝えてくれる最後の煙突です。
多くの産業遺構と同じくこの煙突も町史の中に残るだけになっていくのでしょう。

この場所から産業が消えた事を
この場所に産業があった事を
その姿で目を向けた人だけにそっと教えてくれるような
控えめな控えめな産業遺構でした。