旧脇ヶ畑村 保月 その1
「保月」への峠には大きな御神木が在りました。
小さな祠を四方から守っているような杉はその枝ぶりも位置も
自然に出来たとは思えないシンメトリーで、絵に描いたような
計算された荘厳さがありました。
手入れされた祠はこの道を通って来る人がいる事と
祀る気持ちが絶えていない事を黙って教えてくれます。
御神木がこの大きさになるので何年かかったか想像もつきません。
この土地に人が来て集落を作ってからの年月はこの杉と同じ位なのでしょう。
この地への県道は冬季閉鎖区間です。
雪が降り積もればここへ来る事は出来なくなります。
標高はさほど高くは在りませんが豪雪地帯です。
土砂が崩れ出た県道はそれでも車が良く通ることを轍が語ります。
道の左右に生い茂る草も車の幅だけはスペースを空けてくれています。
旧脇ヶ畑村の保月地内に入った事は、急に開けた視界の中に現れた
広場の看板で分かりました。
ススキの中に立ち入り禁止の看板です。
新しく綺麗な看板でした。
車を停めて周囲を見回します。
広場は砂利が敷いてあり、公衆便所まであります。
観光客向けに作っているのにそのすぐ横には立ち入り禁止の看板。
ここは部分限定公開のようです。
車を停めた広場は小学校の跡地でした。
すぐ後ろの切り取られたような建物は現在は公衆便所として使われています。
校舎の名残のように見えます。ここだけを残して後は潰したのかも知れません。
もうひとつ後ろに白い小屋がありますが、こちらは科学技術庁の管理物件でした。
小屋を囲ったフェンスにはこのプレートです。
小学校の跡地は無駄なく使われています。