東の川 その10


鳥居に消えかかった文字が「宮頭神社」とありました。


敷地内に立っていた灯篭です。
ここには「木組神社合祀記念」の文字がありました。

「木組」は『東の川』の中でも最も奥地にあり、
昭和13年には既に無人となっていた場所です。


鳥居の裏には「昭和三十八年十月建之」とありました。
小学校と同じ頃にこの神社も移築が完了したようです。
今残る移築された家屋も皆この頃出来たものなのでしょう。

神社から降りていく途中、郵便局から人影が出てきました。
鳥の鳴き声とは違う物音に気づいてか、私の方を御覧になったので
大きな声でご挨拶しました。

「おはようございまぁぁっす!」

にっこり笑って手を小さく振ってくださったのが嬉しくて
転げないように気をつけながら坂道を駆け下ります。

「桜が綺麗ですね。」
「こっちは早いからね。池原の方はもう満開だったでしょう?」
「はい。郵政公社になってからこられる方多いですか?」
「ついさっきもお一人こられましたよ。すれ違いませんでしたか?」
「大塚のあたりで一台車とすれ違いました。」
「きっとその人ですよ。平日でも皆さん遠くからおいでになります。」

旅行しながら郵便局で貯金をするという趣味を持っておられる方は
全国にいらっしゃるようですが、その方たちにとって聖地と呼ばれるのが
この「東の川簡易郵便局」です。


どうして聖地なのかというと、日本で唯一、地理的理由から
オンライン化できないという秘境の郵便局だからだそうです。
通常の電話線が通っていないらしいです。無線電話だとか。

上北山村に問い合わせが多いのか来る途中、国道に
「東の川局 →」という標識がいくつか在りました。
上北山村が持つ全国的に有名な隠れ観光(?)ポイントなのです。


2003年4月1日、郵便局は公社の管轄となりました。
ここにもしっかりポスターが。

土地の人のためというより全国から来る人の為に
業務を行っておられるという印象です。